日本に帰国すると必ずと言っていいほど寄るお気に入りのつけ麺屋がある。私はラーメン通では全くないどころか、むしろ普段ラーメンはほとんど食べない。それでもたまの帰国時にはよほどのことがない限り必ずその店に立ち寄るのだから、自分の口に合っているということなのだろう。

 だから最近、その店の支店が自宅最寄りの駅前にできたのを知ったときには狂喜乱舞した。今までは昼時にしか行けなかったが、自宅から徒歩圏内にできてしまったら通いすぎて太ったりして、などと妄想しながら早速、支店へ食べに行き、いつも行く店の方で頼むのと同じつけ麺を頼んだ。ところが――。

 これが味が違うのである。麺もスープも同じだというのがその支店の触れ込みなのだが、麺の食感からスープのコクまで何から何まで違うのだ。差を生み出しているのはゆで方なのか、調理する人なのか。違うと言っても微妙な違いではあるのだが、それでも、この支店の方の味だったら、私は通い詰めるほどには好きにならない。微妙な差はやはり大きな違いということになる。

 この、看板もメニューも同じなのに微妙に違うという問題に、私は最近、パソコンでも遭遇した。私は米Apple社の「MacBook Air」を丸3年使ったのだが、4年目に入ると同時に挙動がおかしくなり、起動時に黒い画面が続くという症状が出た。それでも恐らくクリーンインストールなどを施せばまだまだ使えるとは思うのだが、中国滞在時に突然全く動かなくなり店に買いに走るという局面に遭遇した場合、円安もあって日本で買うよりも4万円ほど高くなってしまう。不具合が出た時に日本に滞在していたので、それならば思い切って買ってしまえと、表参道のApple Storeに向かったのだ。