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HOMEエレクトロニクス竹内 健の「エンジニアが知っておきたいMOT(技術経営)」 > エンジニアは専門家を目指すべきか?

竹内 健の「エンジニアが知っておきたいMOT(技術経営)」

エンジニアは専門家を目指すべきか?

IoTの時代では多様な経験こそが武器になる

  • 2016/08/24 00:00
  • 1/2ページ

 ご無沙汰しています。前回の更新から現在までの間、本業の研究では、かねてから準備していたIoT向けの高速ストレージの研究提案「高速ストレージクラスメモリを用いた極低消費電力ヘテロジニアス分散ストレージサーバーシステムの研究開発」がNEDO「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」に採択され、いよいよ研究を本格化させるところです。

 これから成長が期待されるIoTの市場は、パソコンやスマートフォンのような単一のデバイスが大量に売れる巨大な市場というよりは、サービスによって求められる要求が異なる多様な市場がたくさん存在する、ということになります。必然的にそれぞれのサービスで求められる要求は何であるか理解することが重要になります。

 サービスと言ってもIoTの場合は、ITが使われるのは、インターネットのサービスから製造業、医療、金融、自動運転車、セキュリティー、気象・災害予測、電力・交通などの社会インフラまで、実に幅広い業種になります。そもそもそれぞれの業界を理解することさえも難しい。この日経テクノロジーOnlineや日経エレクトロニクスに記事として取り上げられる業界も本当に多様になりました。取材される記者さんも大変ですね。

 エンジニアとしても大変な時代になったものです。それぞれのエンジニアには武器となる専門の技術があると思います。例えば私の場合は半導体メモリー・ストレージが専門です。以前のパソコンやスマートフォンに向けて研究開発していた時代では業界全体で技術のトレンドもありましたので、さほどアプリケーションに関して悩むことはありませんでした。半導体デバイスではITRS(International Technology Roadmap for Semiconductors)というロードマップがありました。

 ところが、IoTの場合は市場自体が多種多様ですから将来技術のロードマップも作りようがありません。期せずして、ITRSのロードマップも更新が中止されました。逆に言うと、市場を知り、その市場で問題になっている点を見つけられたらしめたものです。問題さえ明確になれば、解決すること自体は専門の技術を使えばよいのですから。

 私もIoTの研究を始めてからは、どのようにユーザーはメモリー・ストレージを使うのか、いわゆるワークロードの解析を重点的に行うようになりました。問題はサービス事業者の方にヒアリングしても、データ(ワークロード)はおろか、どのようにサービスでメモリー・ストレージを使っているか(ユースケース)さえも簡単には明かしてくれません。それこそがサービス事業者の競争力の源泉だからなのでしょう。

 必然的にデバイス屋の私たちは、素人ながらそれぞれの応用分野を勉強し、ユースケースを想像して自らワークロードを作らなければならない。あたかも、その業界の人になりきって、例えば自分がこういうサービスを提供するとしたら、こうやってメモリー・ストレージを使うな、と想像するのです。

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