電機業界はこの10年ほどで事業再編やリストラが一巡し、早期退職などで転職を迫られた人も少なからず出ました。ちょうど私のような40代はバブル期に大量に入社しているため、リストラの標的にもなったり、同世代の多くが新卒で入社した会社からは離れました。

 みなさん様々な事情で職場を変えて、全く異なる分野で活躍されている方も目立ってきました。電機メーカーのリストラとそれに伴う転職がひと段落して振り返ると、多くの方は分野を変えるか、場所を変えるかどちらかの選択をされたように見えます。

 自分が所属する企業だけが傾いたのであれば、同じ分野で国内で転職先を見つけることも可能でしょうが、この10年ほどで電機業界に起こった変化はもっと構造的なこと。携帯電話、パソコン、テレビ、半導体・・・と、多くの企業でほとんど同じ時期に事業の撤退や転換が必要となりました。

 つまり、ある分野の様々な企業がほぼ同時にリストラを始めるわけで、労働市場は極端に需要が少ない時に供給が過剰になるわけです。これでは仕事を見つけることは難しい。

 半導体のデバイス、プロセス、製造の求人であれば、最近、話題に上るのは中国ばかりです。半導体の製造はほとんどが自動化されているため、人件費が安い国で行う必要は必ずしもないのですが、現在の中国では政府からの重点投資で半導体の巨大工場をいくつも立ち上げようとしています。

 中国のファンドリーのXMCが武漢にフラッシュメモリーの工場を着工すると発表されています。また、エルピーダメモリの元社長の坂本さんがサイノキングテクノロジーという企業を立ち上げ安徽省合肥市にDRAMの工場を作るようです。こうした中国の半導体への投資は2.7兆円とも言われています(関連URL )。