非冷却型の赤外線イメージングは、1990年代後半に生まれた。この市場に参入した企業の目標は、軍事および防衛用途に向けたナイトビジョンとサーモグラフィーシステムを低コスト化することだった。20年たった今、この技術は、予知保全に向けた高温箇所の検知からビルのエネルギー管理、そして当然のことながら軍事・安全保障用途まで、あらゆる産業の新しい用途に広がっている。

 Yole Developpement(以下、Yole)の調査によれば、非冷却型サーマルカメラの市場は、不調だった2012年、2013年から一転し、2014年には出荷台数で対前年比30%増、収益で同7%増の成長段階に回復した(詳細は技術と市場の分析レポート「Uncooled Infrared Imaging Technology & Market Trends report」(非冷却型赤外線イメージングの技術と市場の動向)にあり)。これは、予想よりも早く、軍事ビジネスが安定化したことに加えて民間ビジネスが活発化したことによるものだ。