台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)が先端パッケージングサービスに関心を示している。これは“新しいニュース”ではない。我々、Yole Developpement(以下、Yole)の調査によれば、TSMCはここ数年、フリップチップCuピラーの生産能力の向上注1)と、CMOSイメージセンサーやロジック・デバイス用の3次元(3D)積層ICに巨額の投資を行ってきたからだ。

注1)Yoleが2015年10月に発行したレポート「2015 Flip Chip Business Update report」より

 今、注目すべきは、TSMCが同社の専有技術である集積ファンアウト(InFO:Integrated Fan-Out)技術を使用して、ファンアウト型ウエハー・レベル・パッケージ(WLP:wafer level package)を採用するプラットフォームで量産を進めようとしていることだ。Yoleのアナリストは、TSMCが2016年にファンアウト型WLPの量産を開始することを確認済みであり、米Apple社の「A10」チップが最初の供給先となるとみられる。この分野に注目している米Qualcomm社や台湾MediaTek社、その他大手半導体メーカーもこれに続くだろう。