前回はこのうち、「顧客価値の最適化、最大化」「製造設備構築の最適化」の2つについて述べた。今回は残りの「製造設備構築の最適化」「生産運用の最適化」「プロダクトライフサイクルマネジメントの最適化」について述べるとともに、これらに共通して関わってくる技術要素(共通技術要素)代表的な事例を解説する。
3.製造設備構築の最適化
3Dプリンターを使った量産
3Dプリンターとは、素材となる材料を溶かして積層するなどの方法で、立体物を造形することができる装置である。
3Dプリンターは、試作段階だけではなく量産製造段階でも活用することが可能であり、多品種少量生産への対応が容易となる。さらに、治工具や金型などの製造設備製作に活用することで、これまで製造設備の立ち上げに要していた準備作業にかかる時間を大幅に削減できる。
表に、他の加工方法と比較して3Dプリンターの加工方法を位置付けた内容を示した。今までの製品では実現できなかった性能を出せる用途があり、従来の加工法と3Dプリンターによる製造とを組み合わせて新たな価値を持つ製品を生み出す可能性がある。