スポーツをテクノロジーする

オリンピック競泳水着をテクノロジーする

1964年から2014年までの進化を一望

2016/03/24 00:00

北岡哲子=日本文理大学特任教授

出典: 日経テクノロジーオンライン、2016年1月26日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 今回は、競泳水着がどのような変遷をたどって進化を続けてきたのか、歴代五輪の女性用水着をご覧いただきながら、説明いたします。

図1 東京五輪(1964年)時の水着
図1 東京五輪(1964年)時の水着

 時代は一気に、1964年の東京五輪までさかのぼります。

1. 東京五輪(1964年)

 絹ではなく、合成繊維のナイロン(ポリアミド)100%。トリコットという編み方の素材で、横には伸びるが縦には伸びずフィット性に欠けたので脱着しにくく、首回りを大きく開けたデザインになったそうです(図1)。

図2 メキシコ五輪(1968年)時の水着
図2 メキシコ五輪(1968年)時の水着

 抵抗を最も受けやすい胸の部分に大きな日の丸のワッペンが縫い付けてあるなど、抵抗の低減や動きやすさの確保という、現代の水着に求められる特性を満足させるには程遠いウエアだったと思います。

2. メキシコ五輪(1968年)

 素材は、東京五輪と同じです。しかし、ウエスト部分で上下をつなぐだけの平面的なカッティングであった東京五輪時から進化があり、女性の体の凹凸に沿ったプリンセスラインが見られるようになり、フィット性が高まりました(図2)。

図3 ミュンヘン五輪(1972年)時の水着
図3 ミュンヘン五輪(1972年)時の水着

3. ミュンヘン五輪(1972年)

 図3のように、桜の花のプリント柄が特徴的です。日本を含め、各国による特徴の表現が流行になりました。素材には依然として変化がありませんでしたが、バックセンター切替(背中の中央に縫い目線を設ける)で伸縮性が増し、動きやすさは向上しました。

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