ゴルフとテニスの動きの違い

 前回、テニス少女であった筆者がゴルフ少女になれなかったお話をいたしました。スポーツを何も嗜まない父の突然の命令で高校のゴルフ部に入部しましたが、全く上達しないまま退部。“ゴルフが上手な娘”という父の夢は、無残に散りました。

 というお話をお届けしましたが、ではなぜゴルフに馴染めなかったのかを、考えてみました。それが今回のテーマです。

 まず、当然のことですが、動きに大きな違いにあったのだと思います。それまで大好きで日々励んでいたテニスは、動いているボールを走って打つ動作でしたが、ゴルフは止まっているボールを、自分も静止して構えて打ちます。テニスで唯一、止まった状態からスタートするのはサーブですが、ゴルフは常に自分のタイミングで始動するわけです。フォームを気にして考え出すと動けなくなり、そのじーっと構えている「間」がつまらなくて、これは若者のスポーツではない、自分の性格には合わないと構える度に思っていました。ですからいつまでたっても慣れず、上達しなかったわけです。

 さらに、決定的な出来事もありました。大学2年のころ、プロを目指すほどゴルフ好きの婚約者の影響で、ゴルフ部退部以来乗り気ではなかったゴルフを再開したのです。当時、東京・後楽園や芝にあるゴルフ練習場が流行っておりました。多くのプロを輩出しているある大学のゴルフ部も後楽園で早朝練習をしており、なぜか私もそこで朝練を義務付けられ、彼らの打席を横目で見ながらクラブを振っておりました。

 不幸は重なるもので、そのコーチが厳しすぎ、まっすぐ飛ばないとクラブを投げ付けられたり、大声でどなられたり…。おかげでまたゴルフが徹底的に嫌になりました(婚約も破棄しました)。