2015年は東京モーターショーが開催され、トヨタ自動車の新型ハイブリッド車(HEV)「プリウス」がJC08モード燃費40.8km/Lを実現して登場した(関連記事)。40km/L超えとなったのは最廉価のグレードだけとはいえ、他のグレードも37.2km/Lと先代の通常グレードの30.4km/Lと比較すれば、大幅に燃費が向上しており、性能進化の度合いは大きいといえる。

 プリウス続きでいけば2016年は同車のプラグインハイブリッド車(PHEV)の登場が期待される。電池容量を増やして先代のPHEVよりも電気自動車(EV)として走れる距離を増やすのはもちろん、モーターを高出力化してEVとしての使い勝手を高める予定だ。さらに、デザインについても通常のHEVとの差異化が図られる可能性がある。

 HEVの新型プリウスでは、2個のモーターの配置を変えて、変速機全体の長さを短くした。この結果、エンジンとモーターの間には、エンジン動力を切り離す機構を追加できる余裕が生まれている。HEVではこうした機構は採用していないが、PHEVではクラッチなどで完全にエンジンを切り離し、モーターのみで走った場合の効率を高める仕組みが盛り込まれるかもしれない。今までのHEVではエンジンとモーターは常に協調しながら効率を高めていたが、次期PHEVはよりモーターの役割が大きくなり、エンジンが働いている時間が短くなるはずだ(関連記事)。

 もう一つ2016年に大きなトピックとなりそうなのが、半自動運転車の発売だ。日産自動車は単一レーンおよび渋滞時などに有効となる半自動運転機能の導入を2016年に予定する(関連記事)。さらに、米GM社も「スーパークルーズ」と呼ぶ、車線内を維持しながら走行する半自動運転機能をキャデラックブランドの2017年モデルとして2016年に投入する計画だ(関連記事)。

 もちろん、衝突を防ぎながらステアリングをアシストして車線内の走行を維持する機能は現在の車両でも富士重工業の「EyeSight」やドイツDaimler社の「レーダーセーフティパッケージ」といった機能によって実現されている。これらと今後登場する半自動運転車の機能は大きく変わらないものの、事実上ステアリングに手を添えていなくても半自動運転を実現できる能力を持っているとみられる。

 取材では各自動車メーカーが開発中の半自動運転機能を搭載したプロトタイプ車に搭乗する機会があるが、これまでは助手席や後席でこうした機能を見ているだけだった(関連記事)。2016年には実際に自らが体験して、これまでのシステムとの差をはっきりとお伝えできるだろう。個人的にも、半自動運転機能のインパクトを早く体験してみたいものだ。