もう一つの注目点は、すべてのモノをインターネットに接続するというコンセプトの「IoT(Internet of Things)」です。ここ最近、情報機器や産業システムに関わる企業の多くが、IoT分野に関する取り組みを強化しています。今回のCESでも、IoTに関わる戦略的な提携や、業界団体の動きなども見えてきそうです。

 日本の電子部品メーカーの取り組みも注目を集めそうです。例えばヒロセ電機は、約10年ぶりにCESに出展し、自動車関連の展示を行うようです。先日、ザインエレクトロニクスとともに、車載のサラウンドビューモニターのシステムに向けた伝送技術を展示することを明らかにしています。またTDKも先端技術に関する展示を特定顧客向けに行う予定です。

Google社は何を語るか

 1月末から2月初旬にかけては、「半導体のオリンピック」と言われる国際学会「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2016」が今年も米サンフランシスコで開催されます。今年はなんと、米Google社が人体埋め込みデバイス向けの回路設計技術について講演するということが話題となっています(関連記事)。人体に埋め込むデバイス関連技術はここ最近ISSCCでも発表が多くなっておりましたが、その技術をGoogle社がどのように扱おうとしているのか。要注目の講演となりそうです。

 2月の後半には、モバイル業界の祭典と言われる「MWC(Mobile World Congress)」がスペインのバルセロナで開幕します。もともと欧州の携帯電話事業者が中心となったイベントでしたが、今やスマートフォン(スマホ)やIT、半導体や電子部品など、モバイル機器に関わるあらゆる企業がこのタイミングを狙って新製品発表をするなど、業界の一大イベントに変貌しました。

 今年のMWCはやはり、第5世代移動通信「5G」関連の話題が注目を集めそうです。加えて、免許不要帯域で「LTE」を活用したサービスを行う「アンライセンスLTE」といった技術の話もトピックに上がりそうです。

 3月には、中旬に米Texas州のAustinで開催される「SXSW Interactive」が注目を集めそうです。音楽や映像の分野でのイベントも話題となる「サウスバイ」ですが、新進気鋭のベンチャー企業が表に出てくるイベントとしても知られています。著名な投資家やベンチャーキャピタリストも顔を揃えますが、ここ最近は日本のベンチャー企業も出展社数を増やしています。モノづくり系の新しいベンチャーの動きを把握する意味でも、同イベントは何らかの格好でご紹介したいと考えています。