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 あけましておめでとうございます。旧年中は、「日経エレクトロニクス」と「日経テクノロジーオンライン」をお引き立ていただき、誠にありがとうございました。今年1年も、編集スタッフ一同、読者の皆様のお役に立てるよう、一生懸命がんばってまいります。

 2017年のエレクトロニクス業界は、技術のパラダイムシフトに沸く1年になりそうです。既存の技術トレンドの枠組みが崩れ、新たな潮流が本格化することになるでしょう。

 その最もホットな技術分野を3つ挙げるとすれば、「電池」「ストレージ」「AIチップ」です。まず、電池については、現行のスマートフォンやノートパソコンに使われている「Liイオン2次電池」の次を狙う動きが、これまでとは比べ物にならないレベルで進展しそうです。そのきっかけとなるのが、2016年夏以降、勃発した、韓国Samsung Electronics社のスマートフォン「Galaxy Note7」の発火・爆発問題です(関連記事1 )。世界のあちこちで発火事故が相次ぎ、2016年8月の発売開始からわずか2カ月足らずで製造・販売中止に追い込まれました。いまだに原因がハッキリしていない状況です。

 現行のLiイオン2次電池では、大容量化と安全性がトレードオフの関係にあります。近年は、スマートフォンのバッテリー切れが早すぎるというユーザーの声に押される形で、スマートフォン業界が電池の大容量化や行き過ぎた急速充電の採用などに動いた結果、今回の発火問題に結びついたことは否めません。こうしたGalaxy Note7問題などを受けて、電池業界では、近年の大容量化重視から安全性重視へとトレンドがシフトしつつあります。例えば、Liイオン2次電池の電解質を液体材料から固体材料に変えた全固体電池の研究開発が急加速しつつあります。日経エレクトロニクスでは、2017年2月号で、ポストLiイオン2次電池をめぐる、全固体電池を含めた次世代電池の特集を20ページ超の分量でお届けする予定です。