2017年は電動化の年だったといっていいでしょう。あちこちの展示会やセミナーで「Electrification」や「Electrical」の文字を見かけました。この勢いは衰えることなく、2018年も電動化はますます盛んになると見ています。

東京モーターショーの三菱電機ブースから
東京モーターショーの三菱電機ブースから
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 電動化が顕著なのは言うまでもなくクルマです。日経エレクトロニクスでは2017年12月号と2018年1月号の2号にわたり、モーターや電池といったクルマの電動化を加速する戦略部品の特集を掲載しました(関連特集1関連特集2)。完成車メーカーや自動車部品メーカーはもちろんのこと、多くの電子・電機メーカーがクルマの電動化トレンドに乗るべく、製品化やサービス提供の計画を描いていることを明らかにしました。

 新規参入の動きも活発です。例えば日本電産。強みとする小型精密モーターの技術を生かして、駆動システム事業に本格参入すべく、駆動モーターの製品化や、完成車メーカーとの提携を積極的に進めています(関連記事1)。同社のこれまでの歩みが示しているように、異業種からの参入は硬直化した市場に創造的破壊をもたらします。2018年は、日本電産に続く、第2、第3の新規参入に期待がかかります。

 こうした新しい動きも加わって、補機類など周辺部品の電装化から始まったクルマの電動化は、今や駆動システムなど「走る、曲がる、止まる」の基幹部品に及ぼうとしています。もっともそれで、電気自動車(EV)が出来上がれば電動化は完了、というわけではありません。「電動化=EV」ではないからです(関連記事2)。

 先端技術を追求する日経エレクトロニクスは、機械の置き換えにとどまらない電動化のシナリオを「フル電動化」(All Electric)と称し、2018年はクルマ以外へのフル電動化の広がりと、それを支える先端技術を追いかけていきます。広がる先で、特に注目しているのは、電気飛行機などモビリティー(移動手段)です。