イヤホン界の「GoPro」を目指す。そんな意気込みで製品開発をしているのが、BONX(代表取締役CEO 宮坂貴大氏)だ。GoProといえば、サーファーのNicholas Woodman氏が自らがサーフィンを楽しむ様子を撮影したいというニーズから開発した製品。それが、あれよあれよという間にウエアラブルカムコーダーの代名詞となったのは、ご存知の通りだ。

 BONXの「BONX Grip」もスノーボードやサイクリング、釣りなど屋外スポーツで利用されるイヤホンで、その地位を狙う。「製品開発がほぼ終了しており、ターゲットマーケットが明確である」(J-TECH STARTUP審査員)点が今回の受賞につながった。

†J-TECH STARUP銘柄を表彰する「J-TECH STARTUP SUMMIT 2016」が東京・浅草橋で12月7日、13時~開催されます。BONXの宮坂氏も講演します(詳細はこちら)。

 BONX Gripはスマートフォンを活用したトランシーバーのように使えるVoIP(Voice over IP)システムだ。通話にLTEなどの移動通信回線を使うので、仲間との距離や場所を問わずどこでも通話できる。

 同製品は、専用のイヤホンとスマートフォン用のアプリケーションソフトウエア(アプリ)で構成される。イヤホンは防水(IPX5)で、2個のマイクによるデジタル信号処理にノイズキャンセル技術や構造的な風切り音対策技術が入っており、「激しい向かい風の中でも会話が可能」(同社)という。また、製品全体が大きな2つのボタンのようになっており、ここでボリュームコントロールや消音(ミュート)をボタンで操作可能。Bluetooth Classicで音声通話をし、BLE(Bluetooth Low Energy)でコネクションを維持するという方式を採用することで省電力を実現し、満充電状態から8時間以上の連続通話が可能だ。

 アプリには、人の声を正確に判定し、話しているときだけ通信する機能を搭載する。また、近くにいる仲間をBLEを使って検知し、通知する機能がある。

 既に2015年11月にクラウドファンディングサイトを通じた販売を行い、2551万円を集めた。既に、製品は出資者に出荷済みだ。また、2016年7月にもクラウドファンディングで改良版を販売済み。今後は、どんな苛酷な環境下でも手軽にクリアに通話できるという技術を軸に、B2Cを向いたスポーツ市場のみならず、B2B市場のトランシーバー代替などを狙っていくという。

■会社概要■
会社名:株式会社BONX
本社所在地:東京都・世田谷区
事業内容:ウエアラブルデバイスの企画・開発・販売
代表者:代表取締役CEO 宮坂貴大
設立:2014年11月