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HOME新産業航空・宇宙J-TECH STARTUP選定企業(2016) > JAXA初のベンチャー、人工衛星のアンテナで培った構造解析

J-TECH STARTUP選定企業(2016)

JAXA初のベンチャー、人工衛星のアンテナで培った構造解析

  • 2016/12/02 12:20
  • 1/1ページ

 「宇宙開発で培った構造解析アルゴリズムを民生品に広げようとチャレンジしている」(J-TECH STARTUP審査員)。そんな会社が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の社内ベンチャー制度を利用して設立された初の企業、オリガミ・イーティーエス(代表 小澤悟氏・小林高士氏)だ。同社は宇宙用大型展開アンテナの構造解析の用途に開発された、変形するハードウエア、いわゆる柔軟多体構造物の構造解析を行うソフトウエア「Origami/ETS」の外部へのライセンスや保守などを主な業務としている。

†J-TECH STARUP銘柄を表彰する「J-TECH STARTUP SUMMIT 2016」が東京・浅草橋で12月7日、13時~開催されます。オリガミ・イーティーエスの小林氏も講演します(詳細はこちら)。

「きく8号」のアンテナ展開の様子(試験中)
(写真:JAXA)

 人工衛星のアンテナはロケット内では折りたたまれ、宇宙空間で大きく広げられる。中には巨大なものもあり、例えば、技術試験衛星「きく8号」ではテニスコートと同じぐらいの大きさがあるアンテナが折り紙のように折りたたまれて収納されていた。

 多くの柔軟なパーツで構成され、かつ変形する構造体を解析するソフトウエアがOrigami/ETSである。衛星用に作られたものだが、地上の物体の変形解析にも使える。JAXAから、大学や民間企業にOrigami/ETSをライセンスしたところ、建物の倒壊解析や自動車の衝突解析に活用したいニーズがあることが分かってた。特に、建物の倒壊解析については、大震災を受けて、いっそう高い解析技術が要求されていることが分かった。このほか、航空機体、生体組織や人工臓器、人体モデル、ロボットアームなどの産業用機械、梱包材の落下衝撃、非線形性を示す材料などの構造・変形解析などで用途が見込めるという。

 一方で、JAXA内部で使っているOrigami/ETSの状態では民間企業では活用しづらいことも見えてきた。具体的には、他の解析プログラムとのインターフェースを用意したり、新規機能の追加の必要があった。JAXA内部ではこうした要求に対応できないと判断。JAXAの社内ベンチャー制度を利用し、Origami/ETSの利用促進を目標としてオリガミ・イーティーエスが設立された。過去にも3件、社内ベンチャーの申請があったが、事業性の観点から事業化には至らなかったという。かくして、同社がJAXAベンチャー第1号となった。

 世界では、同様の解析機能を持つソフトウエアは2種類あるという。これに対して、「変形するハードウエアに携わるエンジニアに安価で本格的な構造解析手法を提供する」ことで優位性を持たせるという。

■会社概要■
会社名:オリガミ・イーティーエス合同会社
事業内容:柔軟多体構造物の構造解析を行うソフトウエアの提供や保守
代表者:小澤 悟・小林高士
設立:2015年11月

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