ナノ粒子でがん細胞に栄養や酸素を行かないようにして、がん細胞を死滅させる。そんな治療法「腫瘍標的型低侵襲療法」を開発しているのがメディギア・インターナショナルだ。東京工業大学 生命理工学院 近藤研究室の研究成果を活用し、事業化を進めている。

†J-TECH STARUP銘柄を表彰する「第2回 J-TECH STARTUP SUMMIT」が東京・霞ヶ関で2月1日、13時~開催されます。ここでメディギア・インターナショナルの代表者も講演します(詳細はこちら)。

 同社が提供する治療法は、MD2と呼ぶ独自開発のナノ粒子を、ガンの病巣に対して注射器またはカテーテルで注入するというもの。すると、ナノ粒子ががん細胞に栄養や酸素を送り込む経路を塞ぎ、栄養や酸素が行き届かなくなる。

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 ナノ粒子がこのように働くのは、がんの病巣内の血管を形成する細胞の間に20n~500nmの隙間があるためだ。普通の血管は、2n~6nmほどの隙間しかない。ナノ粒子はちょうど20n~500nm程度の大きさなので、がん病巣内だけ、血管からナノ粒子が漏れ出す。また、がん組織はリンパ系が発達していないため、ナノ粒子はがん組織内で蓄積する。この結果、がん組織への栄養や酸素供給が遮断される。

 こうした原理を利用するため、複雑な手術は必要はなく、薬剤投与も不要で副作用がない。ナノ粒子は血栓を作るような物質に対して十分に小さく、生分解性があるため、体内に入れても安全だという。

 原理実証は終わっており、今後、前臨床試験や安全性の評価などを行う計画である。実用化は2023年ごろを目指している。

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■会社概要■
会社名:メディギア・インターナショナル株式会社
本社所在地:神奈川県・横浜市
事業内容:医療用器材の開発・製造・販売事業
代表者:代表取締役 田中武雄
事業内容:医療用器材の開発・製造・販売事業
設立:2013年4月