深刻化する人手不足。その中でも現在、特に求人倍率が高いのが、警備など保安に関する職業だ。2020年の東京オリンピックに向けて、警備業界の人手不足はさらに深刻化することが見込まれている。このニーズに対応し、巡回業務や機会警備業務のロボット化を狙うのが、明治大学発の技術ベンチャー、SEQSENSEだ

†J-TECH STARUP銘柄を表彰する「第2回 J-TECH STARTUP SUMMIT」が東京・霞ヶ関で2月1日、13時~開催されます。ここでSEQSENSEの代表者も講演します(詳細はこちら)。

 同社が開発しているのは、自律移動セキュリティロボット「SQ2」。完全自律行動が可能。巡回警備で消火器や消火設備などを認識し、これら以外の静止物体や動体を検知し、条件に応じて警備システムの運用者へ通知することが可能だ。

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 これを実現しているのが、レーザーによる3次元画像取得技術、LiDAR(Light Detection and Ranging)と自己位置推定と環境地図作成を同時に実施する技術であるSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)だ。これを使って、施設内の地図を学習し、障害物をよけながら移動する。学習時との差分から、以前はなかった物体の発見を行う。

 加えて、イメージセンサーやサーモセンサーも備える。イメージセンサーによって、人物や物体の特定のほか、機械学習(AI)によって不審な動きをしている人物を判定するといった機能の付加も予定している。サーモセンサーによって、火災やその原因である発熱を発見できる。

 SQ2には、LiDARで独自技術があるものの、活用する技術に目新しさはない。SEQSENSE自身もそのことを認識しており、「個別技術ではなく、自律行動ロボットとして、きっちりと働くようにするインテグレーション力に強みがある」という。

 SQ2はプロトタイプが完成済み。2018年にオフィスビル、空港、ショッピングモール、ホテルなどで、実証実験を行い、実用化まで進める計画だ。

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■会社概要■
会社名:SEQSENSE株式会社
本社所在地:神奈川県川崎市
事業内容:警備用ロボット及びその関連製品の開発
代表者:Co-Founder, 代表取締役CEO 中村 壮一郎
設立:2016年10月