IoTビジネス設計のポイント

[1]データの価値の進化
 皆さんは、データの価値の進化について認識していますか。IoTでは収集したデータを蓄積し、解析して、それらを製品やサービスなどに生かすことが重要になります。むやみにデータを収集しても意味がなく、データがどの段階で価値を生むのかを理解する必要があります。以下は、データの価値の進化をまとめた概念図です(図1)。

図1●データの価値の進化
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図1●データの価値の進化

 収集・蓄積した①データを、抽出・可視化することで意味のある②インフォメ―ション(情報)となります。また、それらを分析・解析することで③ナレッジ(知識)となり、試行・洞察することで④ウィズダム(知恵)が創出されて、最終的にイノベーションにつながります。

[2]バリューチェーンの作成
 皆さんは、バリューチェーンについて理解していますか。バリューチェーンとは、競争戦略の父と言われるマイケルポーター氏が提唱した概念で「価値連鎖」と訳されます。図2のバリューチェーンは、主に製造業を中心した考え方であり、業種により各バリューチェーンが存在します。図2では、【】内にIoTに関連する項目例を追加しています。このようにIoTビジネスにおいて、どの段階で価値を付加していくかを考える必要があります。特にIoTでは、「つながる」や「データ取得」により、このバリューチェーンは強固なものになっていくのです。

図2●IoTのバリューチェーン
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図2●IoTのバリューチェーン

 今回は、IoTビジネス設計(ビジネスモデル作成)のポイントとして、[1]データの価値の進化 [2]バリューチェーンの作成 についてお話しました。いかがだったでしょうか? 次回は、[3]IoTの階層(レイヤー)の整理についてお話したいと思います。