17年前の事故によって車いす生活を送るイタリア人のPaolo Badano氏が、インターネット上で「セグウェイ」に出会い、その技術を取り入れながら自身で改造した。その結果生まれたパーソナルモビリティーが「Genny L 2.0」だ。
従来の車いすでは移動しにくかった石畳の道路などはもちろん、車いすではこれまで行くことができなかった砂浜やゲレンデも走行できる。その様子をFacebookなどのソーシャルメディアで発表し、大きな話題を呼んだ。その後、実際に製品化され、現在は欧州で販売されている。
Gennyは、そうしたスペックも魅力的なのだが、最も大切な点は多くの車いすユーザーの願いを叶えたことだ。2015年11月10日から開催中の「超福祉展」でセグウェイジャパンの取締役 マーケティング部 部長の秋元大氏はこう語る。
「『Genny』は、恋人と手をつないでジェラートを食べながら一緒に走行できることを目指して作られた。彼らにとって、それは非常に大事で、やりたいこと。従来の車いすだと、自力で移動すると手が塞がってしまうし、恋人以外の誰かに押してもらうのでは2人っきりになれない。そうしたことを実現し、同じことを世界中の車いすユーザーに経験してもらうためのモビリティーがGennyなんです。まさに超福祉的な乗り物で、超福祉的な動きだと思っています」
今のところ日本での販売の予定はないが、車いすユーザーのライフスタイルを大きく変える可能性を持っているだけに、将来的に日本中をこのGenny L 2.0が走行している景色を見てみたい。