搭載されたセンサーが人の動きを感知して歩行を電動でアシストする歩行支援型ロボット「ロボットアシストウォーカーRT.1」。機体には各種センサーを搭載し、上り坂であればパワーアシスト、下り坂では自動的に減速する。
2015年11月10日から開催されている「超福祉展*1」で、実際に坂道を押して歩いてみると電動モーターのおかげで重量15kgの車体が驚くほど軽くなるのが印象的だった。片手でも操作ができ、手を離すと自動的にブレーキがかかるため、使用者が転ぶ心配も少なく、安全性も兼ね備えている。
もう一つの特徴はGPSとインターネットを利用して、遠く離れた家族などに使用者の情報を伝えることができる、いわゆる「IoT機器」であること。歩行経路や現在位置、歩行距離、消費カロリーなどで見守り、健康管理に役立てられるだけではない。転倒や外出先でバッテリー残量がなくなるなど、何らかの異常事態を検知すると、自動的に緊急通知が送られる仕組みになっている。こうした安心・安全な機能から、高齢者本人だけではなく、その子供世代からの問い合わせが多いという。
「転ばぬ先の杖」に、ロボット技術を活かす余地
この「ロボットアシストウォーカーRT.1」を開発・販売しているRT.ワークスは、もともとは船井電機に在籍していた人々が中心となって独立してできた会社で、現在、最先端のロボット技術を活用して、高齢者の生活を快適にする製品の開発を進めている。
ソニーや船井電気のエンジニアを経て起業した、同社代表取締役の河野誠氏は「『転ばぬ先の杖のマーケット』には、ロボットの技術を活かす余地が多くある」と、これからもロボット技術で人の生活をアシストすることを目的としていくと話した。
今後も高齢化が進む日本にあって、高齢者が適度な運動をし、健康を維持していくことは重要不可欠。このロボットが、高齢者を外へ誘う存在になることを期待したい。