在外日系企業の支援をしていると、グローバル本社である日本に対する不満をよく耳にする。例えば、
「各事業部がいろんな資料を出せと言ってくる。同じような内容なのに事業部ごとに全て様式が違う。さらに日本語のままで送ってくるところもある。現地語でとまでは言わないが、せめて英語にしてくれればそのままローカルに渡せるのに。俺は通訳か?と言いたくなることが多い。少なくとも様式は全社的に統一して、全て英語を併記するなど、少しは海外拠点のことを考えて欲しい」
といった声だ。

 これだけグローバル化が進んでいるにもかかわらず、それを推進する日本では「内なる国際化」が遅れている企業が意外に多い。特に、海外出向経験のない人が多い職場では、現地事情が分からず、加えて語学力も不足している。そうなると、日本と同じ感覚で海外出向者に指示してくることもある。このような状態では、出向者はとてもやっていられない。