そこで優れたアイデアを持つベンチャー企業に、ベイスターズが資金を含む自社のアセットを供与。「横浜市民、ファン、スポンサー企業などに対してこれまでにないスポーツ体験を提供するとともに、横浜市の地域経済活性化に貢献したい」(岡村氏)。
対象事業分野は6つ
ベイスターズ スポーツアクセラレータの対象事業分野は6つある。1.新しい観戦体験、2.ファン層の拡大と満足度向上、3.スポンサー企業への提供価値向上、4.物販・飲食の新サービス、5.スポーツパフォーマンスの向上、6.新たなスポーツ分野(eスポーツ、VR利用スポーツなど)――である。
ベイスターズはパートナーとなるベンチャー企業に対し、選手のパフォーマンスなど各種のデータ(個人情報は匿名化)や、外部企業とのネットワーク、コワーキングスペース、資金調達の機会などを提供する。「開発したサービスなどを、横浜スタジアムで主催する71試合の興業で実証実験することも考えている」(岡村氏)。
実はベイスターズほど、周辺地域を巻き込んだベンチャー育成事業を展開する環境に恵まれているプロスポーツチームはそうない。人口370万の横浜市を基盤とし、同市とスポーツ振興や地域経済活性化を目的とした包括連携協定を結んでいる。そしてチームは日本シリーズに進出するほど強化が進み、スタジアムは市内の中心部に位置する。ベイスターズ スポーツアクセラレータは、こうした新しい取り組みが国内でも成功するかどうかの試金石となるのは間違いない。