「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」(以下、ワールド・フォーラム)の見どころを1つに絞ることは簡単ではありません。なぜならば、テーマが「スポーツ」と「文化」と「ビジネス」と、柱だけで3本も立っている上に、開催地も京都と東京に分散しているからです。そこで、見どころを少し整理して紹介してみたいと思います。
世界各国から閣僚・リーダーが集結
まずは、参加者。京都と東京で延べ4000人の参加が予想されています。そのうち、海外からの参加者は総勢500人を超える予定です。
特に注目したいのは、世界約50カ国のスポーツ担当大臣やその関係者の来日です。オリンピック・パラリンピックを東京に誘致する際に日本が世界に公約した「スポーツ・フォー・トゥモロー」という取り組みを柱に話し合いが行われます。
「開発と平和のためのスポーツ」「スポーツ・フォー・オール」「スポーツのインテグリティ保護」について議論し、日本から「スポーツの力」を発信して今後の国際的なスポーツの議論へとつなげていきます。国連などの国際機関を除いて、これだけ多数のスポーツ担当大臣が一堂に会する機会は、世界でも類を見ない取り組みだと言われています。
また、ワールド・フォーラムは、前回のコラムでも触れた通り、世界経済フォーラムの協力を得ており、同フォーラムのコミュニティメンバーである各界のリーダーたちが世界から500人以上参加する予定です。
数日間に、多数の外国人が集まるこのワールド・フォーラムは、2020年とその先に向けての1つのシミュレーションにもなるかもしれません。
重要文化財の新たな活用法に挑戦
ワールド・フォーラムは、ベニュー(会場)にもこだわりがあります。
例えば、京都では、神社、仏閣、歴史的建造物などで会議やワークショプを開催する予定で、重要文化財に指定されている旧武徳殿(京都市武道センター)や京都文化博物館別館、また宮本武蔵が修行をした妙心寺などを会議場として利用します。
さらには、二条城は二の丸御殿を舞台に伝統文化の初めての催しを行い、新たな文化財の活用法を模索するきっかけとなるに違いありません。東京では、六本木を中心に会議を行いますが、東京国立博物館のお茶室などの活用も予定されています。