東京オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)の開幕まで、いよいよ2年を切った。東京2020大会ではオリンピックが開幕する2020年7月24日から、パラリンピックが閉幕する9月6日までの期間に、延べ1010万人、1日あたり最大で92万人の来場が予想されている。この期間だけで東京都の人口に近い数多くの人が東京近郊を訪れるわけで、経済効果に対する期待は大きい。

東京2020大会の開会式や閉会式、陸上競技などが行われるメーン会場の新国立競技場。建設工事は順調に進んでいる。
東京2020大会の開会式や閉会式、陸上競技などが行われるメーン会場の新国立競技場。建設工事は順調に進んでいる。
写真は2018年7月時点(写真:日経アーキテクチュア)
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 半面、さまざまなリスクも想定される。主要道路の交通規制や東京湾内における船舶の運航制限などによって、職業従事者の移動や物流などに悪影響が出る懸念がある。過去の大会で起きたサイバーテロや物理的なテロ攻撃が発生するリスクも否めない。東京および周辺地域に拠点を置く企業や組織には、世界最大規模のスポーツイベントの開催に際して、BCP(事業継続計画)や従業員の安全確保など“備え”が求められている。

 そこで新健新聞社が運営する「リスク対策.com」と英国の危機管理コンサルティング会社であるニュートン・コンサルティングは、地元企業を対象に「東京2020大会に向けた企業のリスク対策実態調査」を実施した。結果は、58%の企業がリスク対策を「検討していない」と回答し、開催2年前の現時点で、対策が未だに進んでいない実態が浮き彫りになった。