2016年4月にスマートフォン(以下、スマホ)向けのゲームアプリ「激突!! Jリーグ プニコンサッカー」のサービスを開始したコロプラ。同社は2015年1月に、Jリーグとトップパートナー契約およびゲーム分野におけるライセンス契約を締結、オフィシャルパートナーとしてJリーグをサポートしている。今回のゲームは、Jリーグとの連携で本業のゲームとしては本格的な第1弾の取り組みだ。

 モバイル端末向けゲーム業界でコロプラが積み上げてきたデータ解析技術の知見やノウハウを生かして、Jリーグとタッグを組んだプニコンサッカーは、ゲームとしてだけではなく、スポーツビジネスの新たな可能性を創り出すことを目指している。

 今回は、コロプラの取締役でサービス統括本部長の石渡亮介氏に、プニコンサッカーの制作舞台裏から、テクノロジーとスポーツの融合が切り拓くエンターテインメントビジネスやその未来まで、じっくり話を聞いてみた。(聞き手は、上野直彦=スポーツライター)

コロプラの石渡氏(写真:加藤 康)
コロプラの石渡氏(写真:加藤 康)
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画期的なスマホゲームはこうやって誕生した

―― コロプラは2015年1月にJリーグとトップパートナー契約を結びました。経緯を教えてもらえますか。

石渡 コロプラはプロ野球のスマホゲームの運営をしていて、プロ野球ファンを中心に楽しんでいただいています。ゲーム業界では、プロスポーツをテーマにしたゲームは昔からあるジャンルで「新しく面白いスポーツゲームを作っていきたいね」ということで、野球に続いてサッカーのゲームに興味を持っていました。

 サッカーのゲームを制作するならば、国内トップのプロリーグであるJリーグのゲームを作りたいとは思っていて、たまたま知人だったJリーグの方にそういう話をしていました。ただ、当時は他のゲーム会社がリーグのスポンサーをしていましたので、なかなか具体的な話には至りませんでした。それでも言い続けたことが良かったのか、スポンサーが代わるタイミングで、Jリーグから「コロプラさん、どうですか?」と話をいただきました。

―― それはいつ頃だったんですか

石渡 2014年の11月、12月ごろでしょうか。

―― 実際、Jリーグのトップパートナーになって1年以上が経過しましたが、スポンサーになっての反響や影響、メリットは、どう感じていますか。

石渡 ようやくゲームが完成したところなので、反響はこれからだと思います。ただ、世の中でコロプラへの信頼感が増してきているような印象を持っています。他のゲームでコロプラの名前を覚えてくださった方が増えてきた時期だったので、サッカーゲームについても期待感を持っていただいているような、そんな雰囲気を感じていますね。

サッカー解説者の松木安太郎さんを起用したプニコンサッカーのテレビCM (画像:コロプラ)
サッカー解説者の松木安太郎さんを起用したプニコンサッカーのテレビCM (画像:コロプラ)
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―― Jリーグのスポンサーになることの意義や意味をどのように考えていますか。

石渡 やはり企業として信頼感を持ってもらえるようになったのは大きいと思います。コロプラよりJリーグの方が知名度は高い。Jリーグを愛するサポーターのみなさんと一緒にリーグを盛り上げていこうとコロプラは思っています。その取り組みへの理解が深まれば、コロプラへの印象はこれまでとは何か違うものがベースになるのかなと思いますね。