―― ターゲットの設定でサッカーW杯と五輪で違う点はあるんですか。
高橋 W杯との1番の違いは、五輪ではファミリー層をターゲットにしているという点です。W杯は、コアなフットボールファンの男性がターゲットです。五輪は、ファミリーやティーンといったソフトな感じのコミュニケーションになります。
―― リオ五輪では「アクティブ・ライフ・スタイル」というテーマを打ち出していましたね。
高橋 「アクティブ・ライフ・スタイル」は、リオ五輪で設定したレガシーの1つでした。もう1つは、小さいサイズのペットボトルの普及がありました。日本では、当たり前にあるサイズの商品ですが、ブラジルにはなかったんです。
ペットボトルのサイズを小さくすることで、サステナビリティーの観点で無駄がなくなります。加えて、コストが下がってお買い求めいただきやすくなる。商品としても、フィレッシュなものを適温でおいしく飲んでいただけます。リオ五輪に合わせて小さいサイズの商品を初めてブラジルで市場に出しました。聖火リレーを通じて、ブラジル全土にサンプリングを行なったことも大きかった。こうしてレガシーを残していったのです。
(次回に続く)