スポーツとテクノロジーの接点が急拡大している。ゴルフクラブやテニスラケットなど、スポーツギアの改良に先端テクノロジーを活用する取り組みは従来からあるが、近年、目覚ましいのがアスリートの「センシング」だ。試合中のパフォーマンスを映像からデータ化したり、高精度のセンサーを使って生体情報を直接取得し、パフォーマンスの向上や体調管理に活用したりするなど、先端テクノロジーを適用する対象がアスリートにまで広がっている。この大きな変化は、スポーツの世界にITやエレクトロニクス企業などの新規参入を呼び込む原動力となっている。今まさに“イノベーションの嵐”が吹き荒れる、「スポーツ×テクノロジー」の最先端を追う。
スポーツ×テクノロジー最前線
目次
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eスポーツ、3団体合併の新組織が発足
目指すは五輪、プロライセンス発行で選手の地位向上へ
eスポーツの新たな業界団体として、一般社団法人の「日本eスポーツ連合」が誕生した。既存の業界団体3者を統合したもので、2018年2月1日から正式に活動を始めた。主な活動は、個人やチームを対象としたプロライセンスの発行や、ライセンス発行の根拠となる競技大会の公認などだ。
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eスポーツ、2024年に五輪競技化も、色めき立つ関連団体
「eスポーツ」いよいよ日本へ(後編)
コンピューターゲームをプレーする腕を競う「eスポーツ」。ゲームのプロ選手が多額の賞金を掛けて戦い、その様子をイベントや動画配信で観戦する。海外では賞金総額が30億円近い大会も開かれるほど人気のある新しいエンタテインメントが国内でもいよいよ隆盛の兆しを見せ始めた。
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eスポーツ牽引するスマホゲーム、対戦にユーザーが覚醒?
「eスポーツ」いよいよ日本へ(前編)
コンピューターゲームをプレーする腕を競う「eスポーツ」。ゲームのプロ選手が多額の賞金を掛けて戦い、その様子をイベントや動画配信で観戦する。海外では賞金総額が30億円近い大会も開かれるほど人気のある新しいエンタテインメントが国内でもいよいよ隆盛の兆しを見せ始めた。
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「小学校体育」でバイタルセンサーに触れよ
大阪市立大学など、ヘルスリテラシー醸成への一案
スマートフォンやバイタルセンサーが身近にあり、毎日のヘルスケアをいつでも実践できる環境があるのに、実行に移す人が少ないのはなぜか――。
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筋肉の形状と変形を考慮した人体筋骨格モデル
情報通信研究機構が開発した、筋肉のボリュームと干渉による変形を考慮した新しい仮想人体筋骨格モデル「Def Muscle(デフ マッスル)」。従来モデルでは表現しきれなかった肩・体幹などの複雑な筋肉の位置関係および筋力の作用ベクトルを表現でき、運動神経科学やリハビリ・スポーツなどのバイオメカニクス関連…
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好きなアングルでサッカー放送を楽しむ、KDDIがデモ
KDDI総合研究所は、映像の視聴アングルをユーザーが自由に切り替えられる「8Kフリーナビゲーションシステム」を「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017」(2017年5月24日~26日、東京ビッグサイト)に参考出展した。展示ブースでは、サッカーの試合を東西南北4台の8Kビデオカメラで撮影し、上からの…
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スポーツにおける最適化シミュレーションの利用
用具が変わればスキルも変わる
従来のスポーツ研究では、用具の最適設計やスキルの最適化などはほとんどが別々の試みだった。しかし、用具が変わればそれに応じてスキルも変わるべきで、用具とスキルの同時最適化が必要だ。実際の棒高跳びモデルの最適化例では、最適用具特性(ポールの曲げ剛性分布)と最適スキルが同時に導くことができ、最適化されたフ…
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人に触れずに心拍数を計測、パナソニックが動画解析技術
この技術を使って競技中のスポーツ選手の映像から心拍数を推定することで、選手の緊張感やストレス状態を可視化できるという。スポーツ番組の臨場感の演出や、スポーツ選手のコンディション管理などで活用を見込む。
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スポーツ障害予防のための生体力学的分析と用具開発への応用
肘や膝の関節に生じる負荷を動作分析で明らかに
競技選手が良い成績を継続するには、日頃の鍛錬による競技力の向上だけでなく、スポーツ障害の予防も重要である。スポーツ障害は過度な運動の繰り返し(オーバーユース)や動作の不具合によって生じる。スポーツ障害によって練習を長期間休止すると選手として重要な成長期間を失い、損失は計り知れない。また、近年の女性競…
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見づらい技も見逃さない、パナがスタジアム動画配信
パナソニックは、スタジアムなどの限られた領域内で、Wi-Fiを利用して複数の動画を同時に配信する「マルチ動画配信システム」の商用化を目指している。
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ラグビーにおけるウェアラブルセンサー計測
GPSを中核に複数センサーの融合利用へ
2012年シーズンから、公式戦で選手のGPS装置着用が認可になり、社会人や学生トップチームの試合ではウェアラブルセンサーによるデータ収集とゲーム分析が行われている。実際の試合では、GPS計測した1次データを各種スタッツに加工する。各トップチームはセンサーを利用し、さらに情報戦で優位なスタッツデータを…
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座るだけで体幹を鍛える「家電」、パナソニックが発売
パナソニックは、座ってバランスを取るだけで、腹斜筋などの体幹の筋肉を鍛えることができる椅子型のトレーニング機器「コアトレチェア EU-JC70」を2017年2月25日に発売した。
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Under Armour、トレーニングの次は睡眠に注目
米国のスポーツ用品メーカーUnder Armour社は、「CES 2017」(2017年1月5~8日、米国ラスベガス市)で眠りをサポートする取り組みを発表した。2016年のCESでは台湾HTC社と組み、体重計やウエアラブルな活動量計「UA Band」、心拍計などデジタル機器群をまとめた「UA Hea…
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「Wi-Fi電波は人が集まる場所で弱くなる」は本当か
数年前、筆者がとある競技場でフリーWi-Fiを利用していたときのことだ。観客が少ないうちはWi-Fiを快適に利用できていたが、競技開始時間が近づき観客が増えるに従って電波の入りが悪くなり、しまいにはWi-Fiピクト(携帯の画面上にあるWi-Fiマーク)が1本になってしまった。観戦場所は変えなかった…
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立命館大学、スマートウエアで“運動したくなる”環境を実現
立命館大学は、心電図を測定できるスマートウエアと指向性超音波スピーカーを組み合わせ、生体状況に合った音楽リズムによって的確な運動強度へと誘導するシステムを公開した。スマートウエアとしては、東洋紡の生体情報計測ウエア向け機能性素材「COCOMI(心美)」を利用する。指向性超音波スピーカーは、立命館大学…
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ヤマハ発動機、電動アシストスポーツ自転車の第2弾
新商品はユーザー層拡大を狙ったクロスバイク
ヤマハ発動機は、電動アシスト機構が付いたスポーツ自転車「YPJシリーズ」の第2弾としてクロスバイク「YPJ-C」を発売。同シリーズのエントリーモデルという位置付けで、電動アシストスポーツ自転車というカテゴリー自体のユーザー層拡大を図る。
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神奈川県民が1番せっかち? 活動量計で調査
ドコモ・ヘルスケア「ムーヴバンド3」の早歩き歩数データから
ドコモ・ヘルスケアは、ウエアラブル活動量計「ムーヴバンド3」の早歩き歩数データを利用し、日本で1番“せっかち”な都道府県について調査した。第1位は神奈川県で早歩き率は平均29.2%だった。2位以下は、東京都、埼玉県、千葉県と続き、上位は関東地方の都と県が占めた。
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センシングと発電するシート、スポーツやリハビリに
衣服にシートを目立たないように縫い付け、体の動きを無線で送る。電池は不要で体の動きによって発電する。そんなデバイスを開発しているニュージーランドStretchSense社の創業者にセンサーと応用の可能性を聞いた。
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狙いは酷暑下のスポーツ大会、屋外の暑さや風を計測
清水建設は2016年8月10日、移動式の温熱および風環境計測システムを開発したと発表した。ヒートアイランド現象などの進行で都市の夏季屋外温熱環境が過酷化していることを踏まえ、酷暑緩和策が必要な地点およびその原因の特定を支援する。
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スマホ連動の“持ち歩けるスポーツジム”、日本上陸
いつでもどこでも、スポーツジムにいるかのような筋力トレーニングや全身運動ができ、スマートフォンを通じて運動指導を受けたり仲間と成果を競ったりもできる。香港に本社を置くEggplant Technologies社が開発したそんなフィットネスデバイス「Move It(ムーブイット)」が今夏、日本に上陸す…