JSAEモータースポーツ部会のシンポジウムにて講演を行う、豊田中央研究所の中川雅樹氏。
JSAEモータースポーツ部会のシンポジウムにて講演を行う、豊田中央研究所の中川雅樹氏。
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2009年のF1グランプリに参戦したトヨタのF1マシン「TF109」。
2009年のF1グランプリに参戦したトヨタのF1マシン「TF109」。
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自動車技術会モータースポーツ部会が開催したシンポジウム「モータースポーツ技術と文化〜モータースポーツの新技術と未来〜」での会場風景。
自動車技術会モータースポーツ部会が開催したシンポジウム「モータースポーツ技術と文化〜モータースポーツの新技術と未来〜」での会場風景。
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 公益財団法人自動車技術会は3月2日、東京都新宿区の工学院大学にて、モータースポーツ部門のシンポジウム「モータースポーツ技術と文化~モータースポーツの新技術と未来~」を開催した。

 当日の講演で扱われたテーマは発表順に、「レース車両の空力開発と流体可視化技術」(豊田中央研究所、中川雅樹氏)、「オーストラリアV8 Supercar Chamiponshipへの参戦」(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル パワートレイン開発部、高野 宏氏)、「GOOD WOOD FESTIVAL OF SPEED.を語る~Honda 参加秘話」(本田技術研究所 HRD sakura MS開発室、砂子直人氏)、

 「モトGP復帰に向けた、並列4気筒1000ccプロトタイプマシンの開発」(スズキ 二輪エンジン設計部 第4課、河内 健氏)、「モータースポーツにおける気象情報の戦略的な活用」(ウェザーニューズ、武井弘樹氏)、「パイクスピークにEVで臨んだ3年間」(三菱自動車 開発本部EV要素研究部、田中泰男氏)と、多岐にわたる内容となった。ここでは順を追って、講演内容を紹介する。

 当日、シンポジウム冒頭に行われた株式会社豊田中央研究所の中川雅樹氏の講演のテーマは、「レース車両の空力開発と流体可視化技術」だ。量産車はもとより、レース用競技車両の性能向上のための空力解析では、数値流体力学:CFD(Computational Fluid Dynamics)は欠かせぬ要素だ。

 これによる基本的な性能要件のシミュレーション解析技術を利用して、トヨタ自動車の主なモータースポーツ活動を手がけるドイツ・ケルンを本拠地とするTMG(Toyota Motorsport GmbH)の風洞設備において導入された粒子画像流速測定法:PIV(Particle Image Velocimetry)の技術的内容が、F1車両周りの空気の流れの研究開発作業を具体例として発表された。