パーム・インターナショナル・テニス・アカデミーの校長、杉山芙沙子氏は「『ウエアラブル』の本質を議論する 2015 ~“使い手”の視点から真価を探る~」(2015年5月26日、主催:日経デジタルヘルス)で、プロスポーツの現場におけるウエアラブルデバイスの活用方法などを講演した。

 杉山氏は元プロテニスプレーヤーの杉山愛氏の母親であり、愛氏がスランプに陥った2000年に相談を受けたことをきっかけにコーチとなった。2009年に愛氏が引退した後は錦織圭選手のリハビリパートナーにもなっている。現在は穂積絵莉選手のコーチを務めている。

 杉山氏はトレーニングにウエアラブルデバイスを導入しており、主に心拍数の測定に利用している。心拍数は運動中のパフォーマンスと関係が深く、きちんとコントロールすることで試合中に良いコンディションを維持できるようになるという。「試合中はポイントが入った後に約25秒、1ゲームが終わった後に約90秒のインターバルがある。この間に上がった心拍数を下げ、しかも下がり過ぎないようにコントロールするのがコーチとしての仕事」(杉山氏)。練習が終わった後も、選手は心拍数が高い状態を維持してしまいがちだ。これを適切にクールダウンさせる際も、目標とする心拍数を提示できるため指導しやすいという。

講演する杉山氏
公演する杉山氏