コンピューターゲームをプレーする腕を競う「eスポーツ」。ゲームのプロ選手が多額の賞金を目指して戦い、その様子をイベントや動画配信で観戦する。海外では賞金総額が30億円近い大会も開かれるほど人気のある新しいエンターテインメントがいよいよ国内でも隆盛の兆しを見せ始めた。追い風になっているのは、スマートフォン(スマホ)ゲームとオリンピックだ。2つの新しい風がこれまで国内でのeスポーツ普及を阻んでいた様々な障害を取り除き始めている。

スマホゲームのeスポーツイベントに観客1万人を動員

CyberZの大友真吾執行役員、RAGEの総合プロデューサーである
CyberZの大友真吾執行役員、RAGEの総合プロデューサーである
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 「あくまで目標だが1万人は動員したい」と話すのはeスポーツのイベント「RAGE(レイジ)」を運営するCyberZの大友真吾執行役員。同社は9月18日、eスポーツイベント「RAGE vol.5 with シャドバフェス」を東京ビッグサイトで開催する。国内で人気の高い対戦型カードゲーム「Shadowverse(シャドウバース)」(Cygames)の日本一決定戦、賞金総額1000万円の「RAGE Shadowverse Wonderland Dreams GRAND FINALS」を軸としたゲームイベントだ。

RAGE Shadowverse Wonderland Dreams GRAND FINALSの会場(予想図、出所:CyberZ)
RAGE Shadowverse Wonderland Dreams GRAND FINALSの会場(予想図、出所:CyberZ)
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 イベントの目玉はもちろん、予選を勝ち抜いた8人の選手が優勝賞金400万円を目指して戦う決勝トーナメントだが、それだけではない。1万1000平米の広い会場に、次戦のシード権をかけたトーナメントや有名プレーヤーと対戦/相談ができるコーナー、Shadowverseの世界観を再現した展示、著名コスプレーヤー撮影やグッズ販売、家庭用ゲームの新作体験会など、ゲームに関する様々な要素を詰め込んだ。大友氏は「国内ではeスポーツを見たり楽しんだりする文化がまだ未成熟。まずはShadowverseのファンが集まって楽しめる場としてイベントを開催し、参加する楽しみを広めたい」と狙いを話す。