サッカーの試合の中継放送でフィールド全体の様子を常に表示してほしい――。

 そんな願いを持つサッカー観戦好きの人は多いのではないだろうか。毎週末スタジアムに通うサッカー好きの筆者もその1人だ。サッカーでは、ボールを持つ選手の動きだけではなく、ボールから遠く離れた場所にいる選手の動きも重要になる。しかし、ボールを持った選手がアップで映された場合、他の選手の位置や動きが分からずにもやもやする。

 そんなサッカーファンが待望するサッカーの中継放送が、テレビ放送とインターネット経由の情報配信の同期技術で実現するかもしれない。サッカーなどのスポーツの中継放送に、インターネット経由の情報を放送に同期して表示するシステムをNHK放送技術研究所(NHK技研)が開発中だ。

 同システムにより、選手のフィールドでの位置や走行距離などの情報を中継放送の画面上に表示できる(図1)。実証実験の結果をNHK技研の研究や技術開発の成果を展示する「技研公開2016」で公開していた。

図1 右上の選手のフィールドでの位置情報などは、インターネット経由でテレビ受像機に送られる
図1 右上の選手のフィールドでの位置情報などは、インターネット経由でテレビ受像機に送られる
[画像のクリックで拡大表示]