欧州でここ2~3年、人気のエクササイズとして「アクアバイク」がある。水中で行うフィットネスバイクのようなもので、水圧と運動による血行不良の解消など、疲労回復や健康増進に効果があるとされている。ただし、アクアバイク本体が高額であること、場所が必要であることから、設置しているジムは日本国内では少ない。
そこで、「日本には“家庭内”にいい場所があるじゃないか」と目を付けたのがコレッド 代表取締約社長の中里智章氏だ。
中里氏が開発を手掛け、2016年に発売しようとしているのが「furost(フロスト)」(同社のWebページ)。日本ならほとんどの家庭にある風呂を使い、アクアバイクを再現する。浴槽の中に立てかけて使う、小型・簡易式のフィットネスバイクといったところだ。
とはいえ、浴槽の底に座って使うのでサドルもハンドルもない。水の抵抗を生かして負荷とするので、装置本体に負荷を加える機能もない。
一方、通常のフィットネスバイクにはなくてfurostに搭載されているのが、3軸加速度センサーとBluetoothの無線通信モジュールだ。このセンサーの情報から、回転回数、自転車換算した場合の距離、消費カロリーを割り出し、連動させたスマートフォンに表示、記録する。
なぜ、エクササイズマシンにセンサーを搭載するのか――その理由こそが、中里氏の起業のキッカケという。中里氏の前職はカーナビメーカー、アルパインの研究者。入社すると、カーナビの量産開発について企画から設計を担当していた。その後研究職へと異動し、大学や産業技術総合研究所と共にドライバーのための快適な車内運転空間を研究し始める。