こんにちは。SIPropの今村 謙之です。SIPropは「楽しいものを作る」コンセプトで、エレキやITの技術を使った様々なものづくりを楽しんだり、世界各地の「Maker Faire」などのイベントに出展したりしている技術者のグループです。今年の夏は電動バイクを自作し、鈴鹿サーキットで開催された競技会「2016 Ene-1 GP SUZUKA」に出場してきました(関連記事:IT技術者が自作で挑戦! 電動バイクレース「2016 Ene-1 GP SUZUKA」参戦記)。

社会人も参加可能な缶サットの競技会

 今回私は、10月1日に札幌市から車で1~2時間の北海道赤平市にある植松電機の敷地内で行われた自作探査機の競技会「スペースプローブコンテスト2016」にボランティア・スタッフとして参加してきました。本稿ではその様子をお伝えしたいと思います。

写真●スペースプローブコンテンスト 2016の参加者全員で記念写真
写真●スペースプローブコンテンスト 2016の参加者全員で記念写真
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 スペースプローブコンテスト2016はいわゆる「缶サット」の競技会です。缶サットとは350mL缶や500mL缶サイズの探査機。これを自作し、ロケットで地上数百m~数kmの高さに打ち上げて、降下してくる際に何らかの「ミッション」を実施、衛星の出来栄えやミッションの成果を競うというものです。高校生年代を対象に、地方大会なども実施している「缶サット甲子園」という大規模な大会があり、このルールを模した個別の大会も各地で開かれています。

 宇宙関連機材の開発・製造を手掛ける植松電機も、教育目的で昨年まで缶サットの地方大会を開催していました。これを今年からスペースプローブコンテストに改称。同時に高校生だけではなく、大学生や一般社会人まで門戸を開いたのです。

写真●植松電機のスペースプローブコンテンストのWebページ
写真●植松電機のスペースプローブコンテンストのWebページ
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 実は我々SIPropは次に作るモノとして「宇宙関連」を狙っています。夢はでっかく、実際に衛星軌道に打ち上げる立方体型衛星「キューブサット」あたりに挑戦したいところですが、トータルで500万円近い資金が必要でそう簡単には手が出ません。何か手始めに挑戦できる課題はないかと探していたところ、今年から社会人も参加可能になったスペースプローブコンテストが目に飛び込んできました。

 よし早速参加と考えたのですが、実はこの競技会に参加するには8月上旬に行われる「技術発表会」に参加して事前審査を受ける必要があります。今年はこの日程が前述の2016 Ene-1 GP SUZUKAの日程とモロ被りでした。そこで今年の参加は断念し、来年に持ち越しにしたのですが、せっかくだから本大会にスタッフとして参加して、競技会の様子やライバルたちの実力を偵察にきた、というわけです。