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工場力強化の達人 古谷賢一の強い工場の育て方

ボリュームディスカウントの落とし穴

第24回 ものづくりに適した調達活動

  • 古谷 賢一=株式会社ジェムコ日本経営、本部長コンサルタント、MBA(経営学修士)
  • 2017/10/05 05:00
  • 1/4ページ

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古谷 賢一=ジェムコ日本経営、本部長コンサルタント、MBA(経営学修士)
 「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ買う」。至極、当たり前のことである。しかし、それを実行するのはなかなか難しい。原材料などの調達は、自社の都合だけで決められるものではない。原材料メーカーや資材メーカーなど調達先との交渉によって決まるからだ。自社での生産を維持するために、不本意ながらも買うタイミングや買う量を決める際に調達先の要求を受け入れなければならないこともある。

 加えて、自社と調達先との交渉力の優劣とは関係のなく、必要ではないタイミングで、必要でない量のものを買うことがある。今月100個しか使う予定がないものを、「そのうち使うから」「まとめて買った方が安いから」と100個以上をまとめて買うことがある。いわゆる「買い過ぎ」と呼ばれるものだ。

 生産に必要なもの以上を買うことがなぜ悪いのか、経営的な視点から考えてみよう。

強い工場づくりのポイント

 「在庫は仕事の質のバロメーター」という言葉がある。在庫ゼロの操業は理想ではあるものの、さまざまな理由で在庫を持たざるを得ないというのが実状だ。そこで、今回の主題である「買い物」、すなわち原材料や資材などの調達品について考えてみよう。

 まず前提は、原材料がなければ生産ができないということだ。しかも、原材料在庫は多いほど都合がよい。原材料在庫に心配がなければ、急な生産変更や生産量の増加にも楽に対応ができる。原材料在庫があれば、原材料メーカーと細かな納期調整などしなくても、当面は材料不足に悩まされる心配もない。調達を担う部門は、原材料在庫を持てば持つほど仕事が楽になる。

 原材料在庫を減らそうとすると、まず質の高い販売見通しが必要だ。販売見通しがブレると調達計画が大きくブレてしまい、時には急な納期前倒しなどで予期せぬ欠品が発生してしまう。続いて、販売見通しを確実に満たせるような緻密な生産計画と、生産を実行する能力も必要だ。生産が生産計画通りにできなければ、原材料の消費具合にもズレが出てくるからだ。

 もちろん、調達を担う部門も、原材料メーカーの供給能力を把握しながら、納期や納入数量を緻密にコントロールするという難しい業務をこなす必要がある。つまり、これらを担当する社内の関係部門の仕事の質が高くなければ、在庫を減らすことはできないのだ。だからこそ、「在庫は仕事の質のバロメーター」と表現される。「必要なものを、必要なタイミングで、必要な量だけ買う」という高度な業務を、どれくらい理想的に遂行できたかのバロメーターが、原材料在庫の量ということだ。

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