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工場力強化の達人 古谷賢一の強い工場の育て方

「検査依存症」は“病巣”を放置する

第13回 検査は「ムダ」という原点に立ち返る

  • 古谷 賢一=株式会社ジェムコ日本経営、本部長コンサルタント、MBA(経営学修士)
  • 2017/04/20 05:00
  • 1/4ページ

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古谷 賢一=ジェムコ日本経営、本部長コンサルタント、MBA(経営学修士)
 前回に引き続き、「9つのムダ」の1つである「検査のムダ」について考えてみよう。顧客が求める製品を提供するために、その品質を出荷前に確認することは当然のことだ。生産工程が終わった後に出荷検査という位置づけで、製品が仕様を満たしているかどうかを品質部門が最終確認することはその代表例だ。加えて、顧客サービス部門が「ユーザー試験」と称し、生産工程で確認している項目の追確認だけではなく、顧客目線でさまざまな角度から製品をチェックする。これも顧客満足度を高める有効な手段となっている。

 これらを全て「ムダ」と切り捨てるわけではない。しかし、「検査をすれば品質は保てる」と安易に考えてしまって、本当にそれでよいのだろうか。

強い工場づくりのポイント

 工場の使命は、顧客の要望(営業部門の要望)に対応すべく生産計画を組み、それを100%確実に達成することだ。しかし、何かトラブルがあった場合、当然ながら生産が遅れたり、出荷が止まったりすることがある。その結果、必要な出荷数量が確保できなくなる可能性がある。これでは工場の使命を果たせない。

 それ故に、何かトラブルが発生した時に工場のメンバーが考えることは、「いかに素早く問題を解決して生産や出荷能力を確保するか」ということと、「トラブルによって生じた生産や出荷への影響を回復するか」ということだ。こうした、「スピーディーにトラブルから脱して出荷品質を確保することが最善」という価値観に従うと、即座に検査を追加して出荷品質を回復させ、当日の出荷を確保することが、ある意味、理にかなっている。事実、多くの工場はこの論理で動いている。問題の根本原因を調査し、その対策を実施することを優先する工場は極めて少ない。

 しかし、工場長などの管理者がこれを是認してしまうと、本質的な問題解決を後回しにしてしまうことになる。工場の能力を技術的に高めることなく、見かけ上は「順調に」生産と出荷が進んでいる。こうした工場が本当に強い工場と言えるだろうか。

 強い工場が生産や出荷を維持することはもちろんだ。しかし、「とにかく生産し、出荷すればよい」という価値観で、検査による出荷品質の確保に頼ってはいけない。たとえ緊急避難的に検査によって出荷品質を確保しなければならない事態になったとしても、それでよしとすべきではない。「今ここで、この問題を根本から解決しておかなければ、将来的に競争で必ず負けてしまう」という価値観を持って、問題の解決に立ち向かうことが大切だ。

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