連載主旨
 今、「工場の現場力が落ちているのではないか」という声が、あちこちの日本企業から上がっています。幹部やベテランからは中堅や若手の実力の低下を疑う見方もあります。しかし、その大きな原因は、ものづくり経営やQCDの基本となる考え方の理解が、今の中堅や若手世代に十分な形で伝わっていないことにあります。このコラムでは、ものづくりの現場でよく発生する「あるあるネタ」を事例として取り上げながら、強い工場をつくるために必要な条件を、工場力強化の達人である経営コンサルタントが語ります。
古谷 賢一(ふるたに けんいち)
ジェムコ日本経営、本部長コンサルタント、MBA(経営学修士)
古谷 賢一(ふるたに けんいち)

 大手鉄鋼メーカーの多角化事業部門にて、主に電子回路モジュールおよびコンピュータなど情報機器の開発製造事業に従事。開発・設計・製造・生産技術・品質保証・品質管理等の業務に従事し、本社より分社した当該事業会社の品質保証責任者、生産技術部門長および海外生産子会社の品質管理責任者を歴任。生産子会社・協力工場や、部材ベンダー・取引先へのものづくり指導、生産技術指導、品質指導を、国内外問わず多く手掛ける。

 
 その後、ジェムコ日本経営に入社。経営管理、人材育成から、品質改善支援、ものづくり革新支援など幅広い分野に従事し、海外での支援実績も多い。「地に足がついた活動」をモットーに、現場に密着した、きめ細かい実践指導は顧客から高い評価を得ている。2014年日経ものづくり誌連載の『儲かる工場にするための現場力再入門~経営直結力』の著者、ものづくり経営やものづくりの基本に関するセミナーや、雑誌への関連記事の寄稿も多数。