ちゅらっぷすの成沢理恵です。この連載では毎回、業界で働く様々な実力派のゲストのみなさんと、ゲーム・プロデューサー一筋の私、成沢が語り合いつつ、ソーシャルゲーム(ソシャゲ)の秘密に迫るという体裁で進めています。今回のゲストは2Dファンタジスタの渡辺雅央代表です。同社はカジュアルゲームをメインに、ゲームの企画開発・運用を手掛ける小さな企業です。

写真●対談する渡辺氏(左)と成沢
写真●対談する渡辺氏(左)と成沢
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 累計2100万部を超える人気漫画「GANTZ」(奥浩哉、集英社)はご存じの方も多いはずです。2016年10月14日には、この「大阪編」をテーマにしたフル3DCGアニメーション映画「GANTZ:O(ガンツ:オー)」も公開されました。実はこの映画とタイアップしたスマートフォン(スマホ)ゲーム「GANTZ:O/タップ・バトル・ロワイアル」(以下、タップ・バトル・ロワイアル)も配信が始まっています。このゲームのプロデュースを私が担当しているのですが、その時にゲーム本体の企画・開発をお願いしたのが、渡辺さん率いる2Dファンタジスタです。

 今回の対談では、タップ・バトル・ロワイアルの開発を通じて改めて感服した同社のブレないポリシーについていろいろを聞いているうちに、最近のソシャゲでは避けて通れない「IP」(Interllectual Propery=知的財産権、この場合はキャラクターなどの版権を指す)まで、話は及びました。

カジュアルで、テンポのよいゲームを得意とする開発会社

 タップ・バトル・ロワイアルには、映画公開と合わせて原作の「GANTZ」をより多くの人に知ってもらうタイアップ・ゲームとしてのミッションもありました。なるべく多くの人が遊べるように、ルールがシンプルで、今遊んでいるほかのゲームを邪魔しない、既存のほかのゲームを排除せず、それも含めて一緒に遊んでもらえるような性質が必要でした。私はそれをよく「寄り添うアプリ」を呼ぶのですが、ほかの邪魔をしない、カジュアルで、テンポのよいゲームが欲しかったんです。

 今回、渡辺さんと組もうと思ったのは、2Dファンタジスタの知見や実績もさることながらWebサイトに掲げられた企業コンセプト(外部リンクK)にすごく強く共感したのも理由です。