ちゅらっぷすの成沢理恵です。今回からまた新たなゲストを呼んで、ソシャゲの秘密に迫りたいと思います。今回からのゲストは「The★TableGames」や「ギャルズ★KISS♪」といったスマホゲームのヒット作を持つBTD STUDIO代表の中村 創氏です。日経テクノロジーオンラインの読者に馴染みが薄いかもしれませんが、BTD STUDIOはソシャゲ業界では名が通った有力パブリッシャーです。なのですが、中村氏自身が「ゲーム屋じゃない、テクノロジー屋」と標榜されるほど、テクノロジーに強い自負をお持ちで、様々な意味で「孤高の存在」だったりします。

BTD STUDIO代表の中村 創氏(左)と著者の成沢
BTD STUDIO代表の中村 創氏(左)と著者の成沢
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独立独歩の孤高のゲームパブリッシャー

 どんな風に孤高なのか?順に説明しましょう。まずBTDはガラケーが主流でスマホアプリのゲームが少なかった黎明期から、スマホアプリに注力してきました。スタッフ60人を抱える規模なのに受託開発には距離を置き、開発から配信まで自社で手掛けるパブリッシャーの立場をキープしています。これだけでも相当ユニークだと分かると思います。

 しかしまだまだあるのです。オリジナルゲームにこだわり、最近他社で多いIP(著名なキャラクター版権)は採用せず、他社とのコラボもほとんどしていません。開発には「Unity」(ユニティー・テクノロジーズの汎用ゲーム統合開発環境とゲームエンジン)を使いません。それでいて、オセロやパズルのようなカジュアルアプリから、数万人がアクセスするMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)、チャットや動画が送れるメッセンジャーアプリまで多岐に渡る開発を独力でこなす高い技術力を持っています。国内のみならず海外市場にも積極的に配信などなど、どれをとっても「フツーのスマホゲーム開発会社」とは真逆の立ち位置なのです。まさに「孤高の存在」といって過言ありません。