ちゅらっぷすの成沢理恵です。今回からまた新たなゲストを呼んで、ソーシャルゲーム(ソシャゲ)の秘密に迫りたいと思います。

モバイルファクトリー代表の宮嶌 裕二氏と筆者(左)
モバイルファクトリー代表の宮嶌 裕二氏と筆者(左)
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 今回からのゲストはモバイルファクトリー代表の宮嶌 裕二氏です。同社は地図上の位置情報と連動する「位置ゲーム」を作り続けているゲームパブリッシャーです。位置ゲームは、全世界で記録的な大ヒットとなった「ポケモンGO」の登場もあり、業界でとても注目を集めているジャンルです。そんな位置ゲームを昔から作り続け、この領域で躍進しているモバイルファクトリーの宮嶌さんに、位置ゲームにたどり着いた理由やヒットを生み続ける秘訣を聞きました。

「新しい体験」に悩むゲーム業界

 昨今のゲーム業界でゲームを企画する際に必ずといってよいほど出てくるのが、「ユーザーに新しい体験を」という話です。今やこれだけの数のゲームがある中で、新しい体験がないとユーザーの興味を引けません。ですからどこの会社でもこの議論になります。

もちろんいろいろやり方はありますが、ゲームの本筋であるデザインや世界観で新しい体験を得てもらうのはかなり厳しくなっています。というのも、どの会社のスマートフォンゲームも最近は軒並みクオリティーが高くなりよく出来ていて面白い。スマホという制限の中で可能なゲームシステムについてもかなり出尽くしている状況です。

 「新しい体験をどうすれば生み出せるんだっけ?」が課題になるのはそのためです。解決策として、議論の中で最近よく挙がるのが、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、AI(人工知能)そして位置ゲームです。

 これらに共通しているのが、リアルの世界との融合。デジタルの世界に留まらないワクワク感があるのだと思います。モバイルファクトリーはその中で位置ゲームにリソースを集中し、位置ゲームに特化した開発をしていますが、まず位置ゲームの定義について聞きたいと思います。

「位置ゲーム」とは 「プレーヤーが物理的に移動しながら遊ぶゲーム」

宮嶌氏「私が考える位置ゲームの定義は、モバイル端末と一緒に移動しながら遊ぶゲーム。テクノロジー的にはGPSを利用して…などありますが、単純にいうと『プレーヤーが物理的に移動しながら遊ぶゲーム』が定義になると思います」。

 なるほど。モバイルファクトリーは現在、位置ゲームに特化していますよね。なぜ位置ゲームだったのでしょうか?