こんにちは、世永玲生です。元家庭用ゲームのゲームデザイナーで、現在はWebプロモーションや解析、WebサイトやアプリのUI/UXの改善などの仕事を主にしています。いわゆる「ソシャゲ」のお仕事もたまにイベント設計やライフサイクル、基礎ゲームデザインなどに関わったりしてます。
今回はいつもとちょっと毛色を変えて、「Twitterのライバル?」としてこの4月から話題を集めている新しいSNS「Mastodon(マストドン)」をネタに、人が遊びたくなるUIデザインについて解説してみようと思います。
Twitterのライバル? むしろ独自コミュニティーのツール
Mastodonをご存じない方のために簡単に説明すると、MastodonはTwitterライクな使い勝手の短文投稿サービスです。24歳のドイツ人、オイゲン・ロッコ(Eugen Rochko)氏が昨年の秋ごろから、オープンソースでサーバーソフトウエアを開発しており、この春日本人に「発見」されるまでは、主にドイツとフランスの2万人くらいが使っていました。
TwitterやFacebookのような一般のSNSと大きく異なるのは誰でもサーバー(インスタンスと呼びます)を立てて、単文投稿サービスを運用できる点です。また、それぞれが勝手に立てたインスタンス同士が自動的に連携して、1つの大きなサービスのように使える機能も持っています。「分散型のサービス」と言われるゆえんです。
オープンソースやサーバー運用の知識がそこそこあれば、誰でもインスタンスを立ててサービスを運用できます。つまり参加者を限定して自由に交流できるオンラインコミュニティーを誰でも簡単に作れるわけです。画像共有サービスのピクシブやニコニコ動画のドワンゴなどは、この点に可能性を感じて既に独自インスタンスを立てて運用を始めています。ピクシブの「Pawoo」(Pawoo.net)は約15万人の登録ユーザーを集めて現時点で世界最大のインスタンスになっています。ドワンゴの「friends.nico」もユーザー数は4万人を超えています(いずれもmastodon.xyz調べ、5月18日現在)。