昨今、位置情報を用いたサービスやゲームが話題に挙がっており、いつでもどこでも持ち運び可能な携帯電話を活用した様々なビジネスモデルが頭角を現してきています。

 今回のコラムでは、こうした携帯電話関連の測位技術の動向をお伝えできればと思います。

現在の携帯電話で使われている測位技術

 現在のスマートフォンやタブレット端末には、測位に使用できる様々な高性能機器が搭載されています。

 その中の1つが衛星を用いて測位を行う方法です。

 一般にはGPS(Global Positioning System)と呼ばれていることが多いですが、GPSは米国で開発されたシステムの名称であり、欧州を含む様々な地域で使われている測位システムの総称はGNSS(Global Navigation Satellite System)と呼ばれています。

 現在の衛星を用いる測位方法では、世界各国様々な地域で使える一方、まだ不便な点もあります。高層ビル街などの遮蔽物の多い場所や地下、屋内など、衛星からの信号が届きにくくて使えない場所があったり、位置を特定するまでに時間がかかったりする点です。

 そこで場所、用途に応じて、様々な測位技術が補助的に使用されています。
例えば、加速度/ジャイロ/気圧/地磁気などの各種センサーを用いる方法が挙げられます。これはセンサーによって収集された加速度、傾き、気圧、方位磁針情報などを活用することで移動距離や移動方向を推定します。

 他にも、Wi-FiやBluetooth、音波など様々な信号を使った技術も存在しており、Wi-Fiのアクセスポイントなどから発信されるビーコン信号を使って電波強度や信号到来時間を計測することによって位置を推定します。