以前のコラムで5Gの段階的な標準化検討について解説させていただきました。その後、私の3GPPグループの親会において、5G標準化スケジュールの見直し議論が行われるとともに、詳細な仕様策定スケジュールの合意が行われています。今回のコラムでは、本会合での合意事項を踏まえた最新の標準化スケジュールについてお伝えできればと思います。

5G成功に向けた段階的な標準化の検討

 2016年11月の本コラムでは、5Gの早期商用導入と継続的な進化を見据えた、段階的な標準化のアプローチが検討されていることを解説しました。

 具体的には、高速大容量通信(eMBB)や低遅延、高信頼性(URLLC)の一部を実現するユースケースを対象とした標準仕様を2018年9月までに仕様化し、URLLCや大規模マシンタイプ通信(mMTC)を含めた残りの仕様を2020年3月までに仕様化することを目標にしています。

 あわせて、ノンスタンドアローン運用と呼ばれる、LTEマクロセル基地局と5G基地局の組み合わせで運用するケースの物理レイヤー仕様を2017年12月までに終わらせ、5G基地局のみで運用可能なスタンドアローン運用を含めた全仕様を2018年9月までに終わらせる内容でした。

 本議論は昨年6月に行われたものですが、議論の際、残存課題として残っていた内容が、ノンスタンドアローン運用に対する物理レイヤー以外の上位層の仕様をいつ仕様化するかという点でした。