移動通信の国際標準化プロジェクト3GPPの技術仕様策定グループ「TSG-RAN WG1(Technical Specification Group Radio Access Network Working Group 1)」の議長を務める永田氏が、第5世代移動通信に向けた3GPPでの議論や、議長の仕事、時には職務を離れたエピソードや私見などを報告します。
NTTドコモ 5G推進室 主任研究員
3GPP TSG-RAN WG1議長
移動通信の国際標準化プロジェクト3GPPの技術仕様策定グループ「TSG-RAN WG1(Technical Specification Group Radio Access Network Working Group 1)」の議長を務める永田氏が、第5世代移動通信に向けた3GPPでの議論や、議長の仕事、時には職務を離れたエピソードや私見などを報告します。
第15回 忙しかったこの1年の裏側
長い間、更新できずにいました。3GPPではほぼ毎月会議を行い、世界各国の技術者と喧々諤々の技術議論を続け5G標準仕様化に取り組んでいました。そして遂に先週の3GPP会合において初版の5G標準仕様の完了を宣言することができました。今回のコラムでは、最後の大詰め作業における現場の様子や、仕様完了をご報告…
第14回 今年末には見える5Gノンスタンドアローン運用の標準仕様
以前のコラムで5Gの段階的な標準化検討について解説させていただきました。その後、私の3GPPグループの親会において、5G標準化スケジュールの見直し議論が行われるとともに、詳細な仕様策定スケジュールの合意が行われています。今回のコラムでは、本会合での合意事項を踏まえた最新の標準化スケジュールについてお…
物理レイヤーの検討グループを束ねる役割を持つメンバーの1人として5Gの技術検討の促進に向け色々と動き回っていました。今回のコラムでは、5Gの特徴の1つである広帯域化の実現方法について最新動向をお伝えできればと思います。
第12回 段階的な標準化で徐々にオール5Gに移行
以前の本コラムで5Gに求められる要求条件、適用シナリオ議論や、技術議論の状況を解説させていただきました。その後、私のグループの親会であるTSG-RAN(Technical Specification Group Radio Access Network)において、標準化スケジュールやスコープについて…
第11回 受信信号処理技術の発展と多様化
今回のコラムでは、無線通信での受信側での信号処理方法の標準化状況についてお伝えできればと思います。
第10回 高品質、高密度のスモールセルを活用する技術
スマートフォンやタブレット端末の普及、高精細動画サービスにみられる大容量コンテンツの利用拡大などのネットワークトラフィックの増大に対処するため、国内外問わず携帯電話事業者による様々な対策が計画検討されています。
第9回 将来の測位技術に求められる要求条件とは?
昨今、位置情報を用いたサービスやゲームが話題に挙がっており、いつでもどこでも持ち運び可能な携帯電話を活用した様々なビジネスモデルが頭角を現してきています。
第8回 5Gの目指すターゲットと技術
第7回 LTE V2Xと5G
昨今、自動車関連技術の1つとして、ハンドルやアクセル、ブレーキなどを使った車の操縦の一部またはすべてを自動的に制御する「高度運転支援・自動運転技術」の実現に向けた技術検討が盛んに行われています。こうした高度運転支援・自動運転技術の実現には、自動車の周辺環境をモニタリングするレーダーやカメラといった…
第6回 通信速度向上と柔軟な運用を実現するキャリアアグリゲーション
複数の周波数帯を束ねることにより、1ユーザーが使用可能な帯域を広げ、高速通信を実現する技術として、近年、広く一般的に認知され始めてきている「キャリアアグリゲーション」。今回のコラムでは、キャリアアグリゲーションに対するこれまでの標準化状況と最新動向をお伝えします。
第5回 3次元方向のビーム制御を行うMIMOの課題と挑戦
3GPPではこれまで、複数Releaseにわたり、送信機と受信機の双方で複数アンテナを用いるMIMO(Multiple Input and Multiple Output)と呼ばれる送受信技術の検討、仕様化が進められています。今回のコラムでは、こうしたMIMOに対するこれまでの標準化状況と最新動向を…
第4回 増加する参加者数と5G標準化への課題
3GPPでは現在約40カ国から400近い企業、団体、大学が参加しており、年間合計で5万人程度の研究者、技術者が会合に参加しています。会合は1カ月または2カ月に1回程度のペースで開催され、私のグループ(TSG-RAN WG1 )であれば年間6回程度行われている状況です。今回のコラムでは、こうした数的な…
第3回 低コスト・低消費電力化を目指すIoT技術
携帯電話機やパソコンに限らず、各種センサーや家電機器などのさまざまな機器が通信機能を持ち、インターネットに接続する世界を目指し、昨今、「Internet of Things(IoT)」との名で、あらゆるモノをネットワークにつなげる技術、サービス、ビジネスの検討が進められています。
第2回 アンライセンス周波数帯におけるLTE-Advanced通信「LAA」
3GPPでは、Releaseと呼ばれる機能セットに数字を付記して技術仕様(つながる仕組みの決まりごと)を管理しています。例えば、日本において2010年から商用サービス開始されたLTE(Long Term Evolution)はRelease 8から仕様化され、2014年から開始されたLTE-Adva…
第1回 5Gワークショップ報告