誰にも言われることなく仕事が始まるのである
会社が取り組むべき事業を確実に起こすためには、社内のシガラミから解放される必要があり、そのために完全自由にしてもらう。それと引き換えに(というか、その成果として)新事業を提案している、というのである。
そうはいっても、必ず管理されるのがサラリーマンの定めである。だから、なぜそれだけ自由にさせてくれるのかと畳み込んだ。
「それは、自分が仕事を創るからです」
何か禅問答みたいになってきた。要するに、自分で仕事を創るので、その仕事はすべて自分が管理しなくてはならず上司も部下も不要、だから全部自分で決めて自分で実行している、それに初めての仕事を創るのだから誰にも経験がなく、従って、管理することもできないのは当然――ということだ。
ここまで言われて納得ができた。
自らが仕事を創るということは、そのすべてを自分で管理し、自分のペースで進めるということ。だから、こちらからのアポイントに対して、それが必要なら合わせるし、意味のない会合なら行かない。それだけのことだったのである。
考えてみれば、私たちは誰かに言われて仕事をするのが一般的だ。それも、会社なら上司から言われ、その上司もその上司に言われ(指示あるいは命令され)てやっているのである。
ところが、自分で新しい仕事を創ると誰にも言われることなく仕事が始まるのであるから、当たり前だが、自分で管理し自分のペースで進めるしかないのである。
この人のように、誰もが新しい仕事を自分で創ることは難しいだろう。だが、その意識は持つべきではなかろうか。言われてやるのではなく自分で仕事を創れば、誰にも管理されることなく自分のペースで進めることができるようになる。そして、それが会社の利益につながるのなら、これほど素晴らしいことはない。
私は、この人のようになりたいと思う。
……そうか、だから、私はコンサルタントになったのだ。なんちゃって(笑)。