守ることが難しい、成功への3つの法則
誰でもできることはしないし、追随を許さない自己研さんと技術伝承を重ね、決して自動化しないということをかたくなに守る。
継続を重視し、売り上げを求める急成長や製品・サービスの無用な多角化をしない。言い換えれば、身の丈(事業の大きさ)と身の程(自社の能力)をわきまえるということである。
周囲を気にすることなく、唯我独尊を良い意味で貫き、元祖であることが望ましい。ある意味で、孤立をよしとする。
この3つの法則は、当たり前と言えば当たり前だが、自らがそう決めて頑固に守ることは難しい。
第1の法則について。職人に依存することを、現代ではリスクと捉える経営者が多いのではあるまいか。だから、職人に頼らない自動機や専用機の開発に走り、結果、いつか真似されて価格競争に陥ることになってしまうのだ。
第2の法則について。事業が堅調に推移するようになると、その途端、経営者は量的な拡大を求めるようになる。要するに、もっと儲けが欲しくなるのである。しかし、ここに落とし穴がある。会社自体を大きくしようとするうちに人材や設備が追い付かなくなって、経営手腕にも綻びが生じ、結局、破綻してしまうのだ。
そして第3の法則は、偉そうにしないということである。多くの経営者は、自分が成功したら、それを自慢したくなる。自分が一番だと、よせばいいのに周囲と比べ、他との優劣を競うのである。人情として褒められたい気持ちは分かるが、そこに慢心が宿ると、いつの間にか周囲に追い越されてしまう。
だが、最初から比較も競争もせず地道にマイペースで進むなら、誰にも挑まれない。元祖であり続けられ、自分だけの道を歩むことができるのである。
幸い、私のクライアントには、この3つの法則にのっとっているようなタイプが多い。そうじゃないときは、失敗しないように、こういったことを申し上げている。
いかがだろうか、ニッチの法則。
最初に書いたように、ニッチとは、凹みありきでそこに入り込むのではなく、自らが凹みをうがち快適な空間をつくることなのだ。そして、その空間に入ったら、自己研さんを重ね、身の丈や身の程をわきまえ、孤高をよしとする、その精神を鍛えるのである。
そうすれば、ニッチビジネスは成功するし、ニッチビジネスを創造することも可能になる。
ところで、私のニッチビジネスはどうかって?
エヘン、私はもともとがニッチビジネスである。会社を始めた時から大きくしてないし、自分だけの道を歩いている。
えっ、それはそうだけど、ただの低空飛行じゃないかって? う~ん、そういう視点もありますなぁ……(冷や汗)。