田中 栄=アクアビット 代表取締役 チーフ・ビジネスプランナー
田中 栄=アクアビット 代表取締役 チーフ・ビジネスプランナー
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 「IoT(Internet of Things)」「ビッグデータ」「ディープラーニング」──。これらの言葉が今、ビジネスの会話の中で盛んに使われています。金融分野では「フィンテック」や「ブロックチェーン」といった言葉が注目の的です。でも、実はこうしたバズワード(定義が曖昧な流行言葉)を追いかけるだけで、現在起こっているコンピューティングの変化を本質的に理解している人は少ないのではないでしょうか。

 「クラウド」は、コンピューティングの「革命」です。それは「Windows」や「Macintosh」の登場に匹敵する、もしくはそれを超えるほどの大きな変化と言ってよいでしょう。クラウドによる大きな変化の1つは、マシンパワーの主役がクライアント側からデータセンター側へと移ったことです。ここでいう「データセンター」とは、従来とは違って大型サーバーではありません。最近のデータセンターは構造的には「スーパーコンピューター(以下、スパコン)」と同じです。

 従来、コンピューティングはパソコンという「もの」でした。それがクラウドにより、スパコンの処理能力をブロードバンドを介して「サービス」として提供するものへと変わりました。さらに、処理能力やデータ容量が飛躍的に向上したことで、これまでできなかったことが急にできるようになりました。だからこそ、「革命」なのです。