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HOME新産業異業種連携イノベーションの幸福学 > イノベーションは、1日にして成らず

イノベーションの幸福学

イノベーションは、1日にして成らず

前野教授、濱口秀司さんと創造と革新について語り合う(その4)

  • 構成:市川 智子
  • 2015/12/25 00:00
  • 1/5ページ
慶應義塾大学大学院の前野隆司教授と、米monogoto社の濱口秀司さんによる対談の最終回。大学でイノベーション教育に携わる前野教授は、「普通の人でもイノベーションを起こせる方法はないか」と濱口さんに問う。自転車の練習を例に、濱口さんが語る新しい発想を生み出す極意に、前野教授は反省すべき点があると気づく。2人の対話は、ソーシャルイノベーションを軸に幸福論にまで及んだ。

はっきり言って、練習がいると思うんですよ

前野 これまで濱口流のイノベーションについて、すごい話を聞いてきました。また、以前、2×2の図を用いたあざやかなバイアス(先入観)の壊し方についてお聞きしたこともあります。しかし、私のまわりには、これらの方法をやってみても「イノベーションを起こせるようになれない」という人がたくさんいます。もっと、普通の人が革新的な変革を起こせるようになれないのでしょうか。

濱口 なるほど。でも、「革新的なことができない」と悩んでいる人がどれだけ頑張ってやっているかを逆に問いたいですね。「3カ月間、勉強しました」でできるんやったら世界中でみんながやるはずで、世の中がイノベーションだらけになります。はっきり言って、練習がいると思うんですよ。

前野教授と濱口さん(右)(写真:稲垣 純也)
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前野 どんな練習でしょう。

濱口 質と量で言うと、量です。最初から質を追い求めても、自分が出したコンセプトの良し悪しは分からないから。もう量だけです。ひたすら何時間やるか、何百個のアイデアを考え続けるか。

前野 なるほど。

濱口 「2年間、24時間、鼻血が出るほどやり続けたんですけど、何も生まれません」ということなら、僕がいくらでも救済します。

前野 死ぬ気で、とにかくたくさんやり続けなければならないと。

濱口 何もやらずに言っている人がほとんどです。もっと良くないのは、ワークショップで死ぬほど付箋紙を消費させて、そこで考えたアイデアを発表するような取り組みですね。「みんなで劇をやってみましょう」「机の上におもちゃを置いて考えましょう」とか。そんなことで新しいビジネスを思いつくわけがありません。それから興味深いことに、ほとんどの人は体を動かそうとしないんですよ。

前野 “体を動かす”とは?

濱口 例えば、自転車の乗り方をどう教えるでしょうか。まず自転車の物理的機構を説明して、次に人間の身体構造を教え、最後にバランスの取り方を解説しても、自転車に乗れるようにはならないでしょう? でも、ほとんど人は、イノベーション教育にこれと同じようなことを求めているんですよ。

前野 “理論を学ぶ”ということですね。

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