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HOME新産業異業種連携イノベーションの幸福学 > イノベーションを成功に導く五つの「P」

イノベーションの幸福学

イノベーションを成功に導く五つの「P」

前野教授、濱口秀司さんと創造と革新について語り合う(その2)

  • 構成:市川 智子
  • 2015/11/27 00:00
  • 1/5ページ
慶應義塾大学大学院の前野隆司教授と、米monogoto社の濱口秀司さんによる対談の第2回。「濱口さんは天才」と話す前野教授に対し、「僕は天才じゃない。イノベーションのやり方を知っているだけ」と濱口秀司さんは言う。ならば、その“やり方”とはいったいどんな方法なのか、そして、「誰でも、その“やり方”でイノベーションを起こせるのか」に前野教授が迫る。「イノベーションに必要なこと」として、今回の対談では本邦初公開となる「イノベーションの5P」が明らかになる。

砂漠に飛び出すために必要な原則

前野 イノベーションを起こしたいとか、起業したいと考える人に必要な条件はありますか。

濱口 そうですね。人間が生活する環境で考えてみましょう。

 まず、人間には「この範囲だったら大丈夫」と考える生活ゾーンがあります。例えば、緑が豊かでフルーツがなっていて「ここにいると快適で安全」と思えるゾーンです。でも、何か新しいことを考えたり、起業やイノベーティブなことに踏み出そうと思ったら、この安全ゾーンを出なければなりません。出て行った先は砂漠で、サソリがすんでいるかもしれない。見たこともない世界で不確実性がいっぱいある。

前野教授と濱口さん(右)(写真:稲垣 純也)
[画像のクリックで拡大表示]

前野 辛くて怖そうですね…。

濱口 そういう砂漠に飛び出すために必要な原則があります。

 第1に「目的、ゴール」、つまり「Purpose」ですね。これは「やりたいこと」そのものの場合もあるでしょうし、「あんな人になれたらいいな」「あんな感じでイノベーターになったらええんや」「あんな事業を起こせたらいいな」というようなロールモデル、ケーススタディーという場合もあるでしょう。

前野 ゴールは具体的な方がいいですか。

濱口 砂漠であっても、遠くにオアシスが見えたり、井戸が見えたりしたら、そこへ行こうと頑張れるから、具体的なゴールが見えているといいですね。ただ、目的の設定は難しい。目的のインパクトが小さい、目的レベルが低いケースがあるからです。

 目的には、階層構造があります。例えば、「水を飲むためのコップを作る」という目的と、「お茶を楽しむためのコップを作る」という目的では、考えられることが変わってきますよね。水を飲むだけが目的だったら、穴が開いていて水が漏れたら困るけれど、「楽しむ」が目的ならば、穴が開いていて多少漏れてもいいかもしれない。

 目的によってゴールは変わってくので、すごくいい目的を見つけるということが重要です。イノベーションを起こすコツの一つは、一段上の目的階層から俯瞰することです。多くの人が想定している目的階層では解決できない事象でも、一段上にいると違いますよね。これは基本です。

前野 なるほど。

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