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HOMESocial DeviceNE アナログ・イノベーション・アワード 2016 > 無線通信で光通信の伝送速度を達成へ、「テラヘルツ波」対応のCMOSチップで実現

NE アナログ・イノベーション・アワード 2016

無線通信で光通信の伝送速度を達成へ、「テラヘルツ波」対応のCMOSチップで実現

広島大学 藤島研究室

  • 日経エレクトロニクス
  • 2016/11/18 00:00
  • 1/3ページ

 光通信では、1本の光ファイバーを使って1波長当たり100Gビット/秒を超えるデータ伝送速度が得られる。このデータ伝送速度を、無線通信でも実現できる可能性を秘めた技術の開発が着実に進んでいる。

 それは、周波数が300G~3THzのテラヘルツ波を利用した無線通信技術だ。第5世代(5G)の通信方式では60GHz帯が使われる予定である。それよりも5倍も高い周波数帯域を使った無線通信技術である。

300GHz帯は無線通信に最適

 周波数は限られた資源だ。このため周波数に応じて「用途」が割り当てられている。具体的には、携帯電話などの無線通信のほか、アマチュア無線や電波天文、ナビゲーション、宇宙研究などで帯域を分け合っている。ただし現時点では、275GHzまでしか割り当てられておらず、それ以上の周波数帯域は手つかずの状態にある。

 この帯域を使う無線通信技術の開発に取り組んでいるのが、広島大学 先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻 教授の藤島実氏だ。同氏によると、「300GHz付近の帯域は、無線通信に向いている」という。最大の理由は、電磁波の大気による減衰量が比較的小さい点にある。減衰量は4dB/km程度で、1km程度の通信であれば問題なく利用できる。ただし325GHzまで高くなると、水による吸収帯域と重なるため、減衰量は28dB/kmに急激に大きくなる。電磁波が飛ばないため、無線通信には向かない。

 従って、300GHz付近は、無線通信にとって極めて有望な周波数帯域と言える。将来、無線通信に用途が割り当てられる可能性はあるのか。同氏によると、「電波天文の関係者は、300GHzの帯域を無線通信で使っても指向性が強いため天文観測に影響が出ないので問題ないと見ているようだ。無線通信で利用できる公算が強い」という。

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