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 パワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)は、パワーデバイスの信頼性や品質に関する評価技術、評価方法、装置等の規格化・標準化を目的に活動している。パワーデバイスは、電力の変換や制御などを担う電力用半導体である。ハイブリッド車 (HV)、電気自動車 (EV) などのエコカーや、スマートハウス/スマートシティで必要とされる次世代の電力供給網といった電力エネルギー分野において、パワーデバイスは中核技術の一つに位置付けられる。本コラムでは、パワーデバイスを安心・安全に使う勘所を紹介していく。

 本コラムでは、PDEAが活動の一環として主催・推進している「半導体テスト技術者検定」で過去に出題した問題、そしてPDEA関係者によるパワーデバイス関連での課題や解決に向けた指針を紹介する考えである。

 なお、半導体テスト技術者検定はパワーデバイス関連に限らず、半導体を活用する幅広い分野の方々にとって有用な内容になっている。半導体は産業の米として重用され、半導体業界だけでなく、半導体を利用する業界の成長を後押しし、経済発展を支えてきた。そして私たちの暮らしを豊かにしてきた。今後も、半導体は多くの分野への利用が期待され、新たな半導体も活発に研究・開発されていく。だが一方で、産業が発展するとともに、模倣品、粗悪品など、一定の品質をクリアしていない製品も数多く市場に出回るという問題も出てきた。それが消費者への不安をあおるとともに、産業の停滞、従事する従業員の労働条件の圧迫などにつながる危険性さえある。

 そのような現状から、半導体の品質や信頼性について理解を深めることが重要になってきている。これはパワーデバイスの関係者だけでなく、様々な半導体の研究・開発、製造、販売するサプライヤー、さらに半導体を利用、消費しているコンシューマーにも関わってくる。そうした理解が深まることで、新規開発品の早期実用化と安心して使用できる環境の提供が実現できると考えている。

 今後、このコラムを通じて、PDEAが目指していることを伝えていく考えだ(PDEAの活動についてはこちら)。