今回は、パワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体テスト技術者検定」の過去問題を紹介する(本コラムの詳細はこちら、PDEAについてはこちら)。

 今回出題するのは、論理回路の「スキャン試験」に関する問題だ。半導体デバイス内の論理回路に対しては、その機能(論理動作)を確認するファンクション試験が必要である。その際、入力データとして”0”と”1”から成るパターンデータを用意する必要があるが、論理回路の大規模化とともに、十分な品質のパターンデータをその機能に基づいて作成することは困難になってきた。そこで、現在では、論理回路をその構造に基づいて網羅的にテストする「構造的テスト」が広く用いられており、「スキャン試験」はその中心となる存在である。

 今回の問題は検定での正答率が63%で、難易度は★★★(本コラムでは紹介する問題の難易度を★の数(難易度に応じて1~5個)で表しており、★の数が多いほど難しい)。出題側としては、このあたりはぜひ正解していただきたい問題である。正解に加えて解説も示しているので、しっかり読んで理解を深めていただきたい。

【問題4】難易度:★★★

 次の文章の空欄()に入る正しい言葉の組み合わせを(1)~(4)の中から選びなさい。

スキャン試験とは、被測定デバイス内の論理回路のすべての( ア )を直列に接続し、( イ )として動作させることで、順序回路を等価的に( ウ )と考えてテストを簡単化するテスト容易化手法である。

 (1) ア:フリップフロップ、イ:シフトレジスタ、ウ:組み合わせ回路

 (2) ア:フリップフロップ、イ:加算回路、ウ:組み合わせ回路

 (3) ア:入力端子、イ:加算回路、ウ:ドミノ回路

 (4) ア:入力端子、イ:シフトレジスタ、ウ:ドミノ回路